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ドローン大辞典

リスク評価ガイドライン|用語解説|ドローン大辞典

概要

リスク評価ガイドライン(安全確保措置検討のための無人航空機の運航リスク評価ガイドライン)とは、ドローンの飛行に伴うリスクを体系的に評価し、安全確保措置を検討するための技術指針である。
本ガイドラインは、国土交通省が推奨する資料として位置づけられ、公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構 福島ロボットテストフィールドによって発行されている。
国際的に広く用いられるEASA(欧州航空安全機関)のSORA(Specific Operations Risk Assessment)を基礎に、日本の航空法制度および運航環境に合わせて策定されている。
カテゴリーⅡ・Ⅲに該当する「特定飛行」の安全審査や、許可・承認申請における安全性説明資料として利用されることが多い。


定義と目的

リスク評価ガイドラインは、ドローンの運航に伴う危険要素を「地上リスク」と「空中リスク」に分けて評価し、それぞれに応じた安全対策を明確にするための枠組みである。
単に危険を列挙するのではなく、リスクの発生確率と影響度を定量的に評価し、安全確保措置を合理的に策定できるよう設計されている。

主な目的は以下の通り。

  • 飛行内容や環境に応じた安全目標(OSO)を明確化する。

  • リスクを可視化し、合理的な安全確保措置を立案する。

  • 行政審査や包括申請における説明責任を果たす。

  • 事業者や操縦者が自らの運航リスクを客観的に把握できる体制を整える。

この評価手法を用いることで、リスクベースドアプローチ(RBA)に基づいた運航安全の最適化が可能となる。


評価の手順

ガイドラインにおけるリスク評価は、SORA手法を参考に、以下のステップで構成されている。

  1. CONOPSの説明
    運航者が計画するCONOPSを明確にする。リスク評価実施のためだけではなく、安全意識を高めるためにも重要なステップ。

  2. 地上リスクの把握
    無人航空機が制御不能となった際に人との衝突により重大な障害を引き起こすリスクを評価する。

  3. 空中リスクの把握
    無人航空機と有人航空機の衝突リスクを評価する。

  4. 運行に関わる安全目標の確認
    特定された地上および空中リスクに基づき、当該運航に推奨される安全目標(OSO)と安全性と保証のレベル(SAIL)を決定する。

  5. 隣接エリアの考慮
    オペレーション空間等に隣接し、著しく高リスクな場合、逸脱の可能性を厳格に管理する。

  6. 評価結果に対する対応

    評価結果に基づき、運航者は要求事項を満たすことを確認・証明する。安全確保措置として飛行マニュアル作成が推奨され、対策や安全目標が未達の場合はCONOPS(運航計画)の改定が必要となる。


法制度と適用範囲

「安全確保措置検討のための無人航空機の運航リスク評価ガイドライン」は、航空法および無人航空機の飛行に関する告示に準拠しており、特に以下の飛行区分で利用される。

国土交通省が審査を行う際には、DIPS2.0やFISSに添付する安全性資料として本ガイドラインの手法を参照した評価書の提出が求められることがある。


実務上の留意点

  • 運航計画(CONOPS)を詳細に整理し、飛行条件・想定外事象を具体化する。

  • 評価に用いるデータ(人口密度、空域構造、通信環境など)は最新の公的情報を参照する。

  • リスク評価の結果と安全対策は、飛行日誌および運航マニュアルに記録・保存する。

  • 高リスク飛行では、フェールセーフ機能、補助者配置、緊急着陸地点の確保など複合的な安全措置を講じる。

  • 運航者が複数いる場合は、統一された評価基準に基づく共通の安全体制を構築することが推奨される。


関連用語:安全性と保障のレベル(SAIL)/安全目標(OSO)/CONOPS/カテゴリーⅡ/カテゴリーⅢ/フェールセーフ機能/飛行計画/航空法/DIPS2.0/リスク/ハザード/ロバスト性/


参考元:無人航空機リスク評価ガイドライン
福島ロボットテストフィールド:https://rtf.f-rei.go.jp/