ドローン大辞典
空中リスク|用語解説|ドローン大辞典
概要
空中リスクとは、ドローンが飛行中に他の航空機と衝突する可能性を指す概念であり、地上リスクと並んで運航リスク評価の主要構成要素となる。
国土交通省が推奨する「安全確保措置検討のための無人航空機の運航リスク評価ガイドライン」では、空中リスクをARC(Air Risk Class)として分類し、空域構造・有人航空機の交通密度などを基準に評価する枠組みが採用されている。
特にカテゴリーⅢ飛行では、空中リスクの適切な評価と監視体制の構築が航空局による安全審査で重要視される。
定義と評価対象
空中リスクは、ドローンが飛行中に他の航空機(ヘリコプター、固定翼機、農業用ヘリ、緊急航空機など)と接近または衝突する可能性を評価する概念である。
評価対象となる主な要素は以下の通り。
その空域における有人航空機の交通密度
飛行高度(地表または水面から150m以上の上空か否か)
機体の性能(ビジョンシステム、ADS-B受信機能など)
空中リスクの評価は、地上リスク(GRC)と合わせて、安全性と保障のレベル(SAIL)の決定に使用される。
空域構造との関係
空中リスクは、航空法で定められた空域区分と密接に関連する。
空港等周辺の空域
航空法により飛行が制限されており、有人航空機の往来が多いため、空中リスクが高い。地表または水面から150m以上の上空
有人航空機の通行頻度が高く、特定飛行の要件に該当する。人口集中地区(DID地区)上空
空域そのものより地上リスクの要素が強いが、空撮や測量での運航には空中リスクの考慮が求められる。
空域条件に応じて空中リスククラスが定められ、さらに追加措置が求められる場合がある。
法制度との関係
空中リスクの概念自体は航空法に明文化されていないが、安全運航に関わる複数の規定と密接に関連する。
航空法施行規則:飛行方法の基準(空港等周辺の空域の飛行制限など)
国土交通省告示:リスク評価書の添付を求められる場合がある
空域情報(AIS/J-AIRM):最新のNOTAM情報や飛行制限情報の確認が求められる
カテゴリーⅢ飛行では、空中リスクを適切に評価した資料が審査対象となる。
実務上の留意点
飛行前に航空情報(NOTAM、AIS)を確認する。
ヘリポート、病院、消防施設などの周辺は低高度での有人機飛行が想定されるため注意する。
自律飛行時は、上空監視が困難となるため、空域選定と高度管理を慎重に行う。
カテゴリーⅢ飛行では、空中リスク評価の根拠資料を運航マニュアル・飛行計画に統合することが求められる。
関連用語:地上リスク/ARC(空中リスククラス)/SAIL/安全目標(OSO)/CONOPS/カテゴリーⅡ/カテゴリーⅢ/空港等周辺の空域/飛行計画/航空法/リスク評価ガイドライン