ドローン大辞典
飛行日誌|用語解説|ドローン大辞典
概要
飛行日誌とは、ドローンの飛行記録および点検・整備記録様式を体系的に記録するための公式な記録簿を指す。これは、航空法に基づく安全運航管理や、国土交通省が推奨するリスク評価(SAIL)の一環として、操縦者および運航管理者が作成・保存することが求められている。
飛行日誌は、飛行計画の実施状況や機体の状態を証明する公的な資料であり、事故・重大インシデント発生時の原因究明や安全対策の改善に活用される。特に、レベル4飛行(カテゴリーⅢ飛行)においては、共通運航ルールとして飛行日誌の作成が義務付けられている。
事業者や登録講習機関では、飛行日誌を日常的な運航管理の一部として作成し、運航の信頼性を維持するための基礎資料として活用している。
定義と位置づけ(法的義務の明確化)
飛行日誌とは、無人航空機の各運航に関する詳細な記録を残す文書であり、操縦者・補助者・機体情報・飛行経路・気象条件・異常発生の有無などを体系的に整理する。
安全管理上の義務:飛行日誌の作成は、レベル4飛行とレベル4未満の飛行のいずれにも共通で求められる共通運航ルールの一つであり、運航者は飛行場所、飛行時間、整備状況等の情報を日誌に記載しなければならない。
点検記録:航空法第132条の86第1項第2号に基づき、飛行に必要な準備が整っていることを確認した後で飛行させることとされており、その確認事項は「無人航空機の飛行日誌の取扱要領」の日常点検記録に記録する必要がある。
記載内容(点検・整備記録の項目追加)
飛行日誌は、主に飛行記録と点検・整備記録で構成される。
飛行記録に含まれる主な内容:飛行年月日および飛行場所、操縦者・補助者の氏名、機体名称・登録番号、飛行目的(業務、趣味など)、飛行時間、気象条件(風速・気温・視程など)、通信状態、バッテリー残量、GNSS受信状況、異常・トラブル発生の有無および対応内容。
点検・整備記録に含まれる主な内容:機体の点検・整備方法、整備記録の作成、日常点検(外部点検、作動点検)の実施記録。日常点検には、リモートID機能を有する機器等の作動確認が含まれる。
これらの情報は、飛行データの蓄積によってリスク評価や整備計画の合理化に寄与する。
管理と保存(DIPS2.0の連携方法の補足)
飛行日誌の保存期間や形式は法令で厳密に定められていないが、国土交通省は安全管理上の観点から一定期間の保存を推奨している。
紙媒体・電子媒体いずれも認められるが、改ざん防止措置やデータ保全が求められる。
DIPS2.0との連携:DIPS2.0(ドローン情報基盤システム)で飛行許可・承認申請を行う際、操縦者の飛行経歴を証明する参照資料として、飛行日誌(飛行記録)の写しを添付することができる。また、機体の改造記録を証明する参照資料として、飛行日誌(点検・整備記録)の写しを添付することも可能である。
登録講習機関での利用:国家資格制度に基づく登録講習機関(国が登録する民間機関)では、受講者の実地試験免除のための講習実績を証明する資料として、飛行日誌が活用される。
実務上の意義(リスク評価への活用)
飛行日誌は単なる記録ではなく、安全運航体制の継続的改善に資する管理ツールである。
特定飛行やカテゴリーⅡ・Ⅲの運航を行う際には、飛行日誌を通じて過去の運航データや異常対応の履歴を蓄積することで、リスクの傾向を分析し、ハザードやスレットの把握に役立てることができる。このデータは、リスク評価ガイドライン(RTF SORA)において、運航者の能力や機体の整備プログラムが適切であることを証明するエビデンスの一部として活用される。
事故・重大インシデント発生時には、飛行日誌が公式な証拠資料として活用されるため、記録の正確性と保全性が重視される。
関連用語: 飛行計画/DIPS2.0/操縦者/補助者/航空法/登録講習機関/リスク評価/事故・重大インシデント/特定飛行/リモートID