ドローン大辞典
運航計画|用語解説|ドローン大辞典
概要
運航計画とは、ドローンの飛行を安全かつ合理的に実施するために、運航の目的、方法、体制、技術条件などを体系的に整理した計画を指す用語である。実務上は、リスク評価の前提となる運航の概念設計(CONOPS)と、実際の飛行前に行う飛行計画の通報という、性質の異なる二つの意味で用いられる。
概要
ドローンの運航において「運航計画」という言葉は、広義には運航全体の設計思想を示し、狭義には個々のフライトごとの事前通報を指す。特に有人地帯での目視外飛行など高リスク運航では、詳細な運航計画(CONOPS)の策定が、許可・承認やリスク評価の前提条件となる。
運航計画(CONOPS)の位置づけ
CONOPSは Concept of Operations の略称であり、ドローン運航をどのような前提と条件で実施するかを定義した運航の概念書である。これはリスク評価(SORAなど)における最初のステップに位置づけられ、以降の地上リスク・空中リスクの判定や、安全目標の設定は、この内容を基礎として行われる。
CONOPSは単なる飛行ルートの説明ではなく、運航全体を俯瞰した設計図として機能する。
CONOPSの基本構成(5W1H)
運航計画(CONOPS)に記載される内容は、一般に5W1Hの観点で整理される。
When(いつ)
運航日時、時間帯(昼間・夜間)、季節要因など
Where(どこで)
Who(だれが)
What(何を)
使用するドローンの仕様(重量、寸法、運動エネルギー、安全装備など)
Why(なぜ)
How(どのように)
飛行方法(目視内・目視外、自動操縦・手動、単機・複数機運航など)
CONOPSに含める詳細情報
リスク評価に耐えうる運航計画とするためには、5W1Hに加えて、以下のような具体的情報を整理する必要がある。
運航体制に関する情報
技術的な情報(機体・システム)
リスク評価との関係
策定されたCONOPSは、リスク評価プロセスの基礎情報として用いられる。
地上リスクの把握
機体特性や人口密度に基づき、地上リスクの程度を評価する
空中リスクの把握
有人航空機との遭遇可能性から空中リスクを評価する
安全目標の設定
必要な安全性レベルを定め、機体や運航体制に求められる要件を整理する
評価の結果、リスクが許容範囲を超える場合は、機体仕様や運航方法を含めてCONOPS自体を見直すことが求められる。
飛行計画の通報との違い
運航計画(CONOPS)が運航全体の概念設計であるのに対し、飛行計画の通報は、個々のフライト前に行う具体的な手続である。
通報先
ドローン情報基盤システム(DIPS 2.0)
通報内容
飛行日時、経路、高度、操縦者などの具体情報
目的
他のドローンや有人航空機との空域重複を防ぎ、空の安全を確保するため
特定飛行において通報を怠った場合、法令に基づく罰則の対象となる。
要点整理
運航計画とは、ドローン運航の安全性を支える基盤であり、二つの側面を持つ用語である。
一つは、リスク評価や許可・承認の前提となる運航の概念設計としてのCONOPSであり、もう一つは、実際の飛行前に行う飛行計画の通報である。
特にレベル3.5やレベル4といった高度な運航では、詳細かつ論理的なCONOPSの策定が不可欠となる。