ドローン大辞典
有人航空機|用語解説|ドローン大辞典
概要
有人航空機は、操縦士が直接操縦を行い、乗客や貨物を運搬するために使用される航空機の総称である。
航空法第2条では、航空機を「人が乗って飛行することができる機器」と定義しており、ドローンなどの無人航空機はこれに含まれない。
有人航空機は、離陸・航行・着陸のすべての過程で航空交通管制(ATC)の管理下に置かれ、他の航空機や障害物との安全な距離を維持しながら飛行する。
種類と分類
航空法および国際民間航空機関(ICAO)の分類に基づく主な有人航空機の種類は以下の通り。
固定翼機(飛行機):滑走によって揚力を得て飛行する一般的な航空機
回転翼機(ヘリコプター):ローターによって揚力と推進力を発生させる航空機
滑空機(グライダー):動力を持たず、上昇気流を利用して飛行する航空機
飛行船:浮力を利用して空中に浮かび、推進装置で移動する航空機
その他:VTOL機(垂直離着陸機)や固定翼と回転翼を組み合わせたハイブリッド型航空機
航空法上の位置づけ
有人航空機は航空法の主要な適用対象であり、運航に際しては次の要件が定められている。
有効な耐空証明・登録番号の取得
航空従事者(操縦士、整備士、運航管理者)の資格保持
航空交通管制(ATC)への飛行計画提出と指示遵守
航空保安施設・通信システムとの接続
航空事故や重大インシデント発生時の報告義務
一方で、ドローン(無人航空機)は航空法第132条に基づく特別規制の対象であり、有人航空機とは運用体系が明確に分離されている。
ドローンとの関係
ドローン運航では、有人航空機との衝突防止が最も重要な安全課題である。
特に、ヘリコプターや農薬散布機が低空域を飛行する場合、ドローンが同高度で活動すると重大な事故につながる恐れがある。
そのため、ドローン操縦者はDIPS2.0や運航管理システム(UTM)を通じて、有人航空機の運航情報や空域制限を事前に確認することが求められている。
また、緊急用務空域が設定された際には、救助ヘリなどの飛行を妨げないよう即時に飛行を中止しなければならない。
今後の展望
今後は、ドローンと有人航空機が同一空域を安全に共有できる「統合空域運用(Integrated Airspace Management)」の実現が課題となっている。
国土交通省は、UTM(運航管理システム)と航空交通管制(ATM)を連携させる仕組みを整備中であり、将来的にはドローンの運航情報が航空管制システムに統合される見込みである。
また、空飛ぶクルマ(UAM)の登場により、有人航空機と無人航空機の境界が曖昧になることが想定されるため、相互通信・自動衝突回避技術などの国際的な運用基準の整備が進められている。