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ドローン大辞典

自律飛行|用語解説|ドローン大辞典

概要

自律飛行(Autonomous Flight)および自動操縦(Autopilot)は、プログラムやセンサー情報に基づいて、事前に設定された飛行経路を自動的に飛行する運航形態の総称である。
これは、通信途絶やバッテリー低下といった異常事態が発生した際に、機体を安全に復旧させる危機回避機能(フェールセーフ機能)と一体として実装される重要な技術である。
日本の航空法上の特定飛行(カテゴリーⅡ・カテゴリーⅢ飛行など)では、自動操縦システムを使用する場合であっても、操縦者が常時、強制的に操作介入できる設計であること(手動操縦に切り替えられること)が、安全確保の要件となっている。


定義と構成要素

自動操縦システム(オートパイロットシステム)は、操縦者の直接的なスティック操作によらず、GNSS/IMUなどのセンサー情報と飛行計画データをもとに、機体の姿勢、速度、および経路を自動で制御するシステムである。

主な構成要素

  • フライトコントローラー:各種センサー情報や送信機の指令を処理し、機体を制御する信号を送る中枢システム。

  • GNSS(Global Navigation Satellite System):人工衛星の電波を受信し、機体の地球上での位置・高度を取得するデバイス。

  • IMU(Inertial Measurement Unit):3軸のジャイロセンサーと3方向の加速度センサー等によって3次元の角速度と加速度を検出する装置。

  • 自動航行システム:オートパイロットシステムの製造者や安全設計に関する情報がCONOPSの説明に必要とされる。

  • C2リンク/通信モジュール:コントロールステーション(地上局)と機体を接続し、制御情報や機体情報を送受信するリンク。LTE通信などが使用される。

  • フェールセーフ機能(RTH等):電波断絶やGNSS電波異常などの不具合発生時に、離陸地点へ自動的に戻る機能や安全な自動着陸を可能とする機能。


自動操縦と自律のレベル

自律飛行という概念は、プログラムされた経路を正確に飛ぶ自動飛行(ウェイポイント飛行)から、環境の変化に応じて機体が独自に判断を下す高レベル自律飛行まで、複数の段階を示す。

  • 自動飛行(ウェイポイント飛行):フライトコントロールシステムに搭載された地図情報に、予め複数のウェイポイント(経過点)を設定し、その経路を正確に飛行する方式。測量や長距離輸送など、高い再現性が求められる操縦に利用される。

  • 自律(Autonomous):飛行モードの一つとして「手動」「人工安定」「自動」と並んで記載されており、悪気象条件や高密度空域に対応し、操縦者の直接的な介入なしに機体自身が判断・対応を行う高度な運航技術として、今後の技術開発や制度整備の方向性として検討されている。


法制度

飛行許可・承認の要件
自律飛行(自動操縦)は、目視外飛行や長距離飛行を可能にするため、特定飛行(カテゴリーⅡ、カテゴリーⅢなど)に該当する場合が多く、DIPS2.0を通じて国土交通大臣の許可・承認が必要である。
特に自動操縦システムを搭載した機体は、以下の能力を有していることが確認される。

  • 経路設定:自動操縦システムにおいて、適切に飛行経路を設定できること。

  • 操作介入:飛行中に不具合が発生した際に、無人航空機を安全に着陸させられるよう、適切に操作介入ができること(手動操作への切り替えを含む)。


実務的活用と今後の展望

自律飛行は、長距離・広範囲にわたる飛行において、操縦者の負担を軽減し、高い再現性を確保するために、測量、インフラ点検、物流(レベル4飛行を含む)などの分野で不可欠な技術である。

今後の展望

  • 運航管理システム(UTMS):空域の混雑度や運航形態に応じて、UTMS(無人航空機運航管理システム)の利用が段階的に導入される方針であり、飛行計画や飛行状況、地図・気象情報等を集約・共有し、安全な空域活用を可能にする。

  • 通信技術:衛星通信や5GHz帯無線LANの上空利用の制度化、LTE通信の活用など、通信環境の整備が進められている。

  • 技能証明:自律飛行を含む特定飛行を業務で行う場合、操縦者は一等または二等無人航空機操縦士の技能証明を取得し、運航体制を明確にすることが望ましい。


関連用語:フライトコントローラー/GNSS/IMU/RTH/フェールセーフ機能/飛行計画/カテゴリーⅡ/カテゴリーⅢ/安全目標(OSO)/安全性と保障のレベル(SAIL)