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ドローン大辞典

高度|用語解説|ドローン大辞典

概要

ドローンにおける高度とは、地表または水面を基準とした垂直距離(相対高度、AGL)を指す。
航空法や飛行計画上では、ドローンがどの高度を飛行するかが安全運航の基準となる。
無人航空機(100グラム以上)の飛行では、航空法により特定の高さ以上の空域が規制されるため、高度管理は極めて重要である。
ドローン情報基盤システム(DIPS2.0)では、飛行申請時に「最高飛行高度」を設定する必要があり、飛行目的や空域区分に応じた許可・承認が求められる。
また、機体の高度情報はGNSS(GPS)や気圧センサーで計測され、フライトコントロールシステムが姿勢・位置制御に利用している。


高度の基準の種類

航空法や運航管理上では、高度は基準点の違いによって複数の定義が存在する。

  • 地表高度(AGL:Above Ground Level)
    地面または水面を基準とした相対的な高さで、ドローン飛行の基本指標である。
    航空法で定める「150メートル未満の高さ」はこのAGLを基準として計測される。

  • 海抜高度(AMSL:Above Mean Sea Level)
    平均海面(標高)を基準とした絶対高度で、気象観測や航空交通で共通基準として使用される。
    DIPS2.0で150メートル以上の空域を飛行する場合は、飛行地域の標高と地表からの高度を合算した「最高海抜高度」を確認し、申請時に入力する必要がある。

  • 指定基準高度(管制基準)
    有人航空機の航空交通管制(ATM)が設定する飛行高度基準で、空港周辺や管制空域での飛行分離に利用される。

ドローンの運航判断では、原則として「地表高度(AGL)」が用いられる。


実務上の留意点

ドローン操縦者は、飛行前に地図アプリや国土地理院地図を用いて、地形の標高(AMSL)を確認し、実際の相対高度(AGL)が150メートルを超えないよう設定する必要がある。
山岳地帯や高層建築物周辺では、海抜高度と地表高度の差が大きくなるため注意が必要である。

150メートルを超える高高度飛行の許可申請を行う際には、空域を管轄する航空管制機関と事前調整を行い、支障の有無を確認することが求められる。
調整結果や最高飛行高度(海抜高度)は、DIPS2.0申請時に必須入力項目となっている。

高高度飛行では、有人航空機との干渉リスクが増すため、運航管理システム(UTM)を活用した飛行計画の通報・共有が推奨される。
特定飛行を実施する場合、DIPS2.0を通じた飛行計画通報が義務付けられており、他の航空機や無人航空機との接近を未然に回避することが求められる。


他の用語との関連

ドローンの高度管理は、リスク評価と運航計画の策定における重要な要素である。

  • 運航計画(CONOPS)
    運航者が飛行目的や経路、高度などを定義する概念設計書。
    飛行経路は緯度・経度・高度・時間による4次元情報として整理され、飛行性能や位置制御精度の検討に用いられる。

  • リスク評価
    無人航空機の運航リスク評価ガイドラインでは、地上リスクと空中リスクを区別して評価する。
    特に空中リスクは飛行高度と空域混雑度により変動し、高度150メートル以上の飛行は高リスク(ARC-cまたはARC-d)とされる。

  • 安全性と保障のレベル(SAIL)および安全目標(OSO)
    リスク評価の結果に基づき、安全性と保障のレベル(SAIL)が決定され、運航に関わる安全目標(OSO)とその達成水準(ロバスト性)が設定される。
    高度制御の精度や飛行経路逸脱防止機能はOSO#18などの技術的要件として評価され、SAILが高いほど高度制御の信頼性も高水準が求められる。


関連用語: 航空法/DIPS2.0/飛行禁止空域/地表または水面から150m以上の上空/人口集中地区(DID地区)/運航計画(CONOPS)/安全性と保障のレベル(SAIL)/安全目標(OSO)/緊急用務空域/運航管理システム(UTM)