ドローン大辞典
経路|用語解説|ドローン大辞典
概要
ドローンの「経路(飛行経路)」とは、運航者が計画・申請・通報する飛行ルートのことで、特定飛行の許可・承認手続きや安全管理の中心となる要素である。経路の設定は、地上リスクと空中リスクの双方を低減するための基本的な安全確保措置であり、DIPSへの通報義務、適切な空域の選定、第三者や航空機との衝突回避など、複数の制度的要件と密接に関連する。
飛行経路の定義と分類
ドローンが特定飛行を行う場合、運航者には国土交通大臣に対し飛行経路を特定して申請・通報する義務がある。DIPS(ドローン情報基盤システム)では、飛行形態に応じて以下の3種類の経路区分を選択し作図できる。
線形(ライン):始点・通過点・終点を指定する最も一般的な形式
円形(サークル):指定した半径で円を描く形式
多角形(ポリゴン):複数の頂点を結んで飛行範囲を指定する形式
カテゴリーⅡ飛行では円形・多角形の申請実績があるが、カテゴリーⅢ飛行では現時点で受け付けられた実績はない。
また、次のような飛行は経路の特定が必須である。
飛行経路の設定基準と安全確保措置
1. 地上リスクに基づく設定
飛行経路は、第三者や物件への危害を避けるため、地上の状況を踏まえて計画する。
想定飛行空間:正常手順に従って飛行する空間
建物・電力施設・鳥などの障害の回避
学校・病院・観光施設など不特定多数が集まる場所の回避
障害物付近を飛行する必要がある場合には、機体性能に応じた安全間隔を確保するよう設定する。
2. 空中リスクに基づく設定
有人航空機との衝突を防ぐため、空域構造や航空機の運航状況を踏まえた経路設定が求められる。
ドローンが主に飛行する空域(高度150m未満)は、有人機の空域との分離を目的としているため、特に空港周辺では厳格な経路設定が求められる。
飛行計画と経路の通報
特定飛行では、運航者は飛行経路を国土交通大臣に通報する義務がある。
DIPSへの通報
飛行経路(緯度・経度)
飛行高度
飛行時間
飛行場所の所在地
飛行経路と空間の概念(セマンティックモデル)
リスク評価の前提として、飛行経路を含む空間は次のように定義される。
想定飛行空間(Planned Operation):正常運航の想定ルート
オペレーション空間(Operational Space):上記2つの合計
地上リスク緩衝地域(Ground Risk Buffer):逸脱時に備えて地上リスクを考慮するエリア
空中リスク緩衝空域(Air Risk Buffer):空中リスクを考慮すべきエリア
経路の設定は、ドローンがオペレーション空間内に収まり、逸脱した場合でも緩衝地域内に留めることで、被害を最小限に抑えることを目的としている。