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ドローン大辞典

安全目標(OSO)|用語解説|ドローン大辞典

概要

安全目標(OSO:Operational Safety Objective)は、ドローンの運航において必要とされる安全性を定める基準である。この概念は、欧州航空安全機関(EASA)が定めるSORA(Specific Operation Risk Assessment)に基づき、日本の運航リスク評価ガイドラインでも採用されている。
OSOは、「安全性と保障のレベル(SAIL)」とあわせて適用され、運航リスクの水準に応じて要求される安全対策や運用条件を体系的に整理し、事業者や操縦者が適切な安全水準を確保するための指標となる。


定義と目的

安全目標(OSO)とは、ドローンの飛行が第三者や他の航空機に与えるリスクを一定水準以下に抑えるために設定される、計24項目の安全要求事項の集合である。
各OSOは、「技術的な問題」「運航手順」「リモートクルーの能力」「安全設計」など複数の観点から分類され、想定されるリスクの大きさに応じて達成すべきロバスト性(保証の水準)が定められる。
リスク評価プロセスによりSAILが高いと判定された場合(例:カテゴリーⅢに該当しうる運航)は、より高水準のロバスト性の遵守が求められる。この仕組みにより、運航リスクの評価と安全対策の整合性を客観的に確保できる。


OSOとSAILの関係

安全目標(OSO)は、「安全性と保障のレベル(SAIL)」と密接に連動している。
SAILは、特定された地上リスククラスと空中リスククラス(ARC)を用いて、飛行リスクの度合いを6段階(I〜VI)で評価する指標であり、その結果に応じて、24項目のOSOそれぞれについて、達成すべきロバスト性のレベル(任意、低、中、高)が決定される。
この体系により、ドローンの運航形態が異なっても、客観的かつ標準化された安全要求を適用できる。


主なOSOの構成例

OSOは、技術、運用、ヒューマンファクターといった多角的なリスク要因に対応する。代表的なOSOには以下のものが含まれる。

  • 安全設計:技術的な問題から安全に復旧できること(OSO#10)、通信途絶・GNSS喪失時のフェールセーフ機能の実装

  • 外部システムの機能低下:外部システムの劣化(GNSSなど)を管理するように設計されていること(OSO#12)

  • リモートクルーの能力:リモートクルーは訓練を受けた現役であり、異常および緊急事態を制御できること(OSO#09, OSO#15)

  • 運用手順:運航手順が定義され、検証され、遵守されていること(OSO#08, OSO#14, OSO#21)

これらのOSOに要求されるロバスト性を適切に満たすことで、SAILに対応する安全水準が達成される。


日本制度における運用

日本では、国土交通省が推奨する「無人航空機のリスク評価ガイドライン」において、OSOの概念を参考に安全対策の整備を求めている。

  • 特定飛行への適用: カテゴリーⅡ飛行やカテゴリーⅢ飛行の申請においては、リスク評価を通じてOSOの要求を満たす運航体制や技術的な安全措置を検討し、運航計画(CONOPS)や飛行マニュアルに反映させる。

  • 機体認証との関係: 機体の設計や信頼性に関わるOSO(OSO#04、#10、#12など)は、型式認証や機体認証といった機体安全基準の適合性によって担保される範囲内で満たされていると見なすことが可能である。

  • 訓練制度: 国家資格制度に基づく登録講習機関の訓練では、リモートクルーが異常・緊急事態に対応できる能力(OSO#09, OSO#15)を身に付けることが求められる。


関連用語

関連用語:安全性と保障のレベル(SAIL)/リスク評価/ロバスト性/ハザード/スレット/カテゴリーⅡ飛行/カテゴリーⅢ飛行/DIPS2.0/航空法/CONOPS(運航計画)