ドローン大辞典
実地試験|用語解説|ドローン大辞典
概要
実地試験とは、無人航空機操縦者技能証明(操縦ライセンス)において、実際の飛行操作で行われる試験を指す。
筆記による「学科試験」に対し、実地試験は操縦者としての総合的な判断力、操作精度、安全確認手順を評価する重要な工程である。
試験は、国が指定した民間機関である指定試験機関によって実施される。
ただし、国が登録した登録講習機関において必要な講習を受講し、修了審査に合格した場合には、実地試験が全部免除される。
ドローンの操縦技術と安全運航能力を国が公式に証明する制度の中核を担っている。
試験の目的と評価基準
実地試験の目的は、操縦者がカテゴリーⅡ飛行またはカテゴリーⅢ飛行に必要な一定の技能を有していることを国が証明することである。
評価は、操縦者が飛行を安全に維持するために必要な能力に基づいて行われ、試験科目構成は一等と二等で異なるが、共通して次の項目が評価対象となる。
飛行前の行動(プリフライトチェック):機体やバッテリー、通信系統の確認に加え、フェールセーフ機能の適切な設定を含む飛行前点検。
飛行中の行動:基本的な手動操作、自動操作、安全に係わる操作、緊急時対応。不測の事態発生時に適切に操作介入できるかが確認される。
飛行後の行動:飛行後の記録および報告に関する行動。
遠隔操作の実技評価では、GNSS等の支援を利用せずに、安定した離陸・着陸・ホバリング・機首転換などを実施できる能力が求められる。
一等・二等資格での違い
技能証明は、飛行形態のリスクに応じて一等と二等に区分され、それぞれに応じた実地試験内容が設定されている。
区分 | 対象とする飛行形態 | 実地試験の主な特徴(二等からの追加項目) |
|---|---|---|
一等 | GNSSおよびビジョンセンサーを使用しない手動操作(8の字飛行など)を実施。カテゴリーⅢ飛行特有のリスクアセスメントおよび運用体制・手順の管理能力を確認する。 | |
二等 | 基本的な操縦技能(手動・自動)、安全確保操作、緊急時対応の的確さを評価する。 |
実務上の位置づけ
実地試験に合格し技能証明が発行されると、その資格はDIPS2.0上で特定飛行の許可・承認申請に活用できる。
申請の簡略化:技能証明を保有している場合、許可・承認申請時に「無人航空機を飛行させる者に関する飛行経歴・知識・能力確認書」(様式3)の添付を省略できる場合がある。
信頼性の証明:国家資格としての技能証明は、操縦者が国が定める基準に適合する技能を有していることを証明し、業務運航での信頼性を高める。
登録講習機関との連携:登録講習機関で修了審査に合格した場合、その講習修了者情報は新システム(DIPS2.0)にアップロードされ、実地試験免除として扱われる。
関連用語:技能証明/学科試験/一等無人航空機操縦士/二等無人航空機操縦士/登録講習機関/DIPS2.0/特定飛行/カテゴリーⅡ/カテゴリーⅢ