ドローン大辞典
事故・重大インシデント|用語解説|ドローン大辞典
事故・重大インシデント
事故・重大インシデントとは、ドローンの運航中に発生した人身・物損被害、または重大な危険に至るおそれのある事象を指す。航空法では、これらが発生した場合、当該無人航空機を飛行させる者(すべての操縦者)に国土交通省(航空局)への報告義務が定められている。この制度は、安全データベースとして情報を蓄積し、再発防止と安全基準の向上を目的としている
事故
事故とは、ドローンの飛行に起因して以下のような被害が実際に発生したケースをいう。
事故が発生した場合、操縦者または事業者は直ちに飛行を中止し、負傷者がいる場合はその救護・通報を行い、被害の拡大を防ぐ措置を講じなければならない。現場では、機体が通電している場合は電源を切るなど、バッテリーの発火等による二次被害防止に努める。
また、DIPS 2.0(ドローン情報基盤システム)の事故等報告機能を通じて国土交通大臣に報告することが義務付けられている。
重大インシデント
重大インシデントとは、事故には至らなかったものの、
事故発生に直結するおそれがあった事象を指す。
例:
無人航空機による人の負傷(重傷に至らない軽傷の場合)
無人航空機の制御が不能となった事態
無人航空機が飛行中に発火した事態
航空機との衝突または接触のおそれがあったと認めた時
重大インシデントも、事故と同様に国土交通省への報告対象となる。これにより、未然防止や制度改善に資するデータとして活用される。型式認証等保有者(設計・製造者)も、自らの機体が安全基準に適合しなくなるおそれのある事態に関する情報収集と報告が求められる。
報告の流れ
現場対応:運航中止、安全確保、二次被害防止(電源遮断など)、飛行ログ等の記録保存
一次報告:事故の内容に応じ、直ちに警察署、消防署、その他必要な機関等へ連絡するとともに、国土交通大臣に速やかに報告する
詳細報告:DIPS 2.0の事故等報告機能で発生状況や原因を記録・提出する
位置づけ
事故・重大インシデントの報告制度は、すべての操縦者に課せられる共通運航ルールの一部であり、航空法第132条の88および関連規則に基づき運用されている。これらの報告は個別責任の追及を目的とするものではなく、安全データベースとして蓄積し、全体の運航安全性を高めるための仕組みである。非行又は重大な過失によるもの等を除き、原則として行政処分は適用されない。