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ドローン大辞典

物件の投下|用語解説|ドローン大辞典

物件の投下

物件の投下とは、無人航空機(ドローン)から物件を空中に投下する行為を指します。この行為は、航空法第132条の86第2項第6号に定められた飛行の方法によらない「特定飛行」の一つであり、国土交通大臣の承認なしに実施することは原則として禁止されています。

規制に違反した場合、50万円以下の罰金が科される可能性があります。


法的な位置づけ

物件投下は、飛行中に物件を投下した場合に地上の人や物件に危害をもたらすおそれがあること、また、物件投下により機体のバランスを崩すなど無人航空機の適切な制御に支障をきたすおそれがある ことから、原則として禁止行為に分類されます。

物件投下を含む特定飛行は、立入管理措置を講じるカテゴリーⅡ飛行に分類されます。特に物件投下は、リスクの高いものとしてカテゴリーⅡA飛行に位置づけられており、技能証明や機体認証の有無にかかわらず、個別の許可・承認を受ける必要があります。

係留飛行の特例

例外として、十分な強度を有する紐等(長さ30m以内)で地表又は固定物に係留することにより、無人航空機の飛行の範囲を物理的に制限した上で行う飛行は、物件投下の承認が不要となる特例の対象となります。


物件投下に該当する行為

物件投下とは、無人航空機から物を落下させる行為を指します。

  • 農薬や水などの液体散布
    農業ドローンによる農薬や水、霧状の液体を散布する行為は物件投下に該当します。ただし、危険物に該当する農薬の空中散布には、引き続き危険物輸送のための飛行の承認(法第132条の86第2項第5号)も必要です。

  • 空中からの投下演出:景品、花びら、チラシなどの投下演出。

  • 物品の落下輸送:救援物資や物品を落下させて届ける行為。

物件投下に該当しない行為

  •  対象物件を地表等に落下させることなく、地上の人員に受け渡す行為。

  •  輸送した物件を地表に置く行為(設置)や、機体を着陸させて引き渡す行為。

追加基準

物件投下の承認(カテゴリーⅡ飛行)を得るためには、以下の安全確保措置や追加基準を満たす必要があります。

1. 機体に関する基準

  • 不用意に投下しない機構であること:誤作動等により意図せず物件が投下されないような構造であること。

2. 操縦者に関する基準

  • 飛行実績:想定される運用により、10回以上の離陸及び着陸を含む3時間以上の飛行実績を有すること。

  •  訓練:実績がない場合、第三者が立ち入らない場所で訓練を実施すること。

3. 安全確保体制に関する基準

  • 立入管理区画の設定:物件投下を行う際の高度、速度、機体の種類、投下しようとする物件の重量及び大きさ等に応じて、物件を投下しようとする場所及びその周辺に立入管理区画を設定すること。

  • 第三者の立入禁止:飛行中、第三者が立ち入らないための対策(立看板、インターネットやポスター等による周知、補助者による監視など)を実施すること。

  • 補助者の配置:飛行経路全体を見渡せる位置に、飛行状況や気象変化を常時監視できる補助者を配置し、操縦者へ必要な助言を行うこと。

  • 高度制限(補助者なしの場合):投下場所に補助者を配置しない場合、物件投下を行う際の高度は原則1m以内である必要があります。


現状の運用

現行制度では、物件投下が認められる特定の例外(「地上または水上の人または物件に危害を与えるおそれがないもの」)は告示で定められていません。したがって、農薬散布や物資投下を含め、係留飛行の特例に該当する場合を除き、すべての物件投下は特定飛行として事前承認が必須となります。

承認を得る際は、ドローン情報基盤システム(DIPS2.0)を通じて飛行承認申請を行い、詳細な飛行計画、安全対策、および追加基準への適合状況を提出する必要があります。また、特定飛行を行う場合は、あらかじめDIPS2.0の飛行計画通報機能等を用いて飛行計画を通報しなければなりません。


関連用語: 飛行禁止空域/航空法/DIPS2.0/想定飛行空間/オペレーション空間/カテゴリーⅠ/カテゴリーⅡ/カテゴリーⅢ/特定飛行/第三者/物件の投下/夜間飛行/目視外飛行/レベル3.5飛行