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ドローン大辞典

危険物|用語解説|ドローン大辞典

危険物

危険物とは、火薬類、高圧ガス、引火性液体など、火災、爆発、中毒、周囲への飛散による危険性を持つ物質を指し、航空法において無人航空機(ドローン)による輸送や搭載が制限される対象となっています。

無人航空機にこのような危険物を積載して飛行させる行為は、航空法第132条の86第2項第5号に定められた飛行の方法によらない「特定飛行」の一つであり、原則として国土交通大臣の承認を受ける必要があります。


規制の背景と禁止物件

無人航空機に危険物を輸送することを禁止する規制の背景には、以下のリスクが挙げられます:

  • 墜落・爆発のリスク:危険物を輸送中の機体が墜落した場合、周囲への当該物質の飛散や機体の爆発により、人への危害や他の物件への損傷が発生するおそれがある。

  • 漏出のリスク:輸送中に危険物が漏出した場合にも、周囲へ危害をもたらすおそれがある。

無人航空機による輸送が禁止される危険物については、航空法施行規則第236条の80及び国土交通省告示によって定められています。

  • 危険物の例:

  • 爆発性物質(花火、爆薬など)

  • 高圧ガス類(ガスボンベ、スプレー缶など)

  • 引火性液体(ガソリン、灯油、アルコールなど)

  • 発火性物質(リチウムイオン電池のうち規制対象のもの)

  • 化学薬品類(農薬、塗料など)


承認取得の条件

危険物の輸送を行う特定飛行は、通常、カテゴリーⅡ飛行(立入管理措置を講じた上で行う飛行)として国土交通大臣の承認が必要です。

承認を受けるための具体的な安全確保措置(追加基準)には、以下の点が求められます。

1. 立入管理措置
飛行経路の直下及びその周辺に、第三者が立ち入らないための立入管理区画を設定し、補助者の配置や看板等により立入りを制限する措置を講じることが必要です。

2. 物件の固定と安全対策
輸送する危険物を密閉容器や防漏構造に収めるなど、安全な方法で積載・固定し、落下や漏出のリスクを最小限に抑える対策を講じること。

3. 緊急時の対応
緊急時の対応手順や消火体制の整備が必要とされます。特に、墜落時の影響の拡大を抑制する計画(例:消防、警察、救助隊等の初期対応者への連絡方法)を含む緊急時対応計画を設定することが期待されます。

4. 飛行計画の通報
特定飛行であるため、ドローン情報基盤システム(DIPS2.0)の飛行計画通報機能等を用いて、あらかじめ飛行計画を通報することが義務付けられています。


例外規定

無人航空機の運用に必要な搭載物は、危険物輸送の禁止規定から除外されています。

輸送が禁止される物件に含まれないもの:

  • •機体の飛行のために必要な燃料や電池(推進用電池を含む)

  • 業務用機器(カメラ等)に用いられる電池

  • 安全装備としてのパラシュートを開傘するために必要な火薬類や高圧ガス

これらは、当該飛行に必要不可欠であり、飛行中、常に機体と一体となって輸送される等の物件として扱われます。

実務上の注意点

  • 「搭載目的」であっても、当該物件の性状や量により個別に規制対象になる場合があるため、判断が難しい場合は所管当局へ照会すること。

  • 航空機(有人機)による輸送や機内持ち込みに関しては別途危険物規定(国際基準・国土交通省告示等)が適用され、バッテリー等の取扱いに細かい規則がある。ドローン運用と輸送は扱いが異なる点に注意。


関連用語: 飛行禁止空域/航空法/DIPS2.0/カテゴリーⅡ/特定飛行/物件投下/第三者/立入管理措置