HUB DRONE HUB

ドローン大辞典

物件投下|用語解説|ドローン大辞典

概要

物件投下は、ドローンから固形物や液体を落とす、または散布する行為を指し、航空法では第三者や物件への危害のおそれがある危険な飛行方法として原則禁止されている。実施する場合には国土交通大臣の承認が必要であり、機体構造、操縦者の技能、安全体制など複数の条件を満たす必要がある。農薬散布のような一般的運用も物件投下に含まれるため、関連法令を踏まえた安全な運用が求められる。


物件投下の定義

物件投下には、単に物を落とす行為だけではなく、水や農薬など液体や霧状のものを散布する行為も含まれる。
一方、次の行為は物件投下には該当しない。

  • 地上の人へ落とさずに受け渡す行為

  • 輸送した物件を地表に設置する行為

これにより、落下を伴う行為のみが規制の対象となり、単なる物品輸送や受け渡しは含まれない。


承認を得るための基準

物件投下を行うには、機体、操縦者、安全体制に関して所定の基準を満たす必要がある。

機体に関する基準

不用意に物件が投下されない構造であることが求められ、誤作動による落下を防ぐ機構を備えている必要がある。

操縦者に関する基準

  • 5回以上の物件投下の実績を有し、投下の前後で機体の姿勢制御を安定して行えること

  • 実績が不足している場合は、安全な場所で訓練を実施すること

安全体制に関する基準


運用上のルール

承認を受けた場合でも、航空局標準マニュアル等に基づき次の運用ルールを遵守する。

飛行高度

原則として地表から1m以下で実施する。ただし、実証飛行等で安全性が確認されている場合や、十分な立入管理区画を設定した場合は例外が認められる。

立入管理区画の設定

物件の重量、大きさ、飛行高度、速度などを踏まえ、投下場所周辺に立入管理区画を設定し、第三者が立ち入らないよう措置を行う。

  • 補助者を置く場合:補助者が監視と立入制限を行う

  • 補助者を置かない場合:位置誤差と落下距離を考慮して区画範囲を算定する

禁止事項

  • 不必要な高調音を発する飛行や急降下など、他人に迷惑を及ぼす飛行方法

  • 人や家屋が密集する地域の上空での物件投下(必要な安全措置を講じた場合を除く)


レベル3.5飛行における物件投下

機上カメラ等を活用するレベル3.5飛行においても物件投下は可能であり、次の条件を満たす必要がある。

  • 一等または二等の無人航空機操縦士技能証明の保有

  • 賠償責任保険への加入

  • カメラ等を用いて投下場所周辺に第三者がいないことを確認する

補助者や看板の設置を省略できるが、機体側の監視による立入管理が必須となる。


農薬散布との関係

農薬散布は物件投下に該当し、場合によっては危険物輸送にも該当する。
そのため、農薬取締法など関連法令および安全ガイドラインに基づき運用し、適切な手順と安全対策を講じる必要がある。


物件投下は、固形物の落下から液体散布まで幅広い行為を対象とし、高いリスクを伴うため厳格な承認と安全措置が求められる。運航者は機体構造や操縦技能、安全体制を適切に整備し、使用する空域や飛行方法に応じた安全管理を徹底することが重要である。


関連用語:危険物/立入管理区画/落下距離/目視外飛行/レベル3.5/許可・承認/補助者/安全確保措置/DIPS2.0