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ドローン大辞典

農薬散布|用語解説|ドローン大辞典

概要

ドローンによる農薬散布は、農地の上空から自動または半自動で薬剤を均一に噴霧する技術であり、農作業の省力化と作業効率の向上を目的として活用が進んでいる。
飛行経路や散布量は専用アプリケーションで事前設定でき、圃場ごとの形状に合わせた最適な運航が可能である。
散布量は1ヘクタールあたり10~15リットル程度が一般的で、機体1台で10分から15分程度の飛行で1ヘクタールをカバーできる。

技術と仕組み

農薬散布ドローンは、GPSやRTK測位により飛行位置を高精度に制御し、設定ルートを自動で飛行する。
また、気流や風速を検知するセンサーを搭載する機体もあり、薬剤の飛散を最小限に抑える制御が行われる。
一部の機体ではタンク残量や電池残量に応じて自動で帰還・再出発を行う機能も備えている。散布記録データはクラウド上に保存され、作業履歴やトレーサビリティ管理にも活用できる。


運用と法規制

ドローンによる農薬散布を行う場合、航空法と農薬取締法の双方を遵守する必要がある。
飛行高度や空域によっては、DIPS2.0を通じた飛行許可・承認申請が必要となる。
また、散布に使用する薬剤は農林水産省が定める「無人航空機による農薬散布に関する登録」製剤でなければならない。
操縦者は、登録講習機関で散布専用の安全講習を修了していることが望ましい。


メリット

農薬散布ドローンの主な利点は以下の通りである。

  • 坂地や湿地など、人が立ち入れない圃場での安全な作業

  • 均一な散布による作物品質の安定化

  • 人件費と作業時間の削減

  • 散布量データのデジタル管理と再現性向上

また、薬剤を直接扱う時間が減ることで、作業者の健康リスク軽減にもつながる。


実務での活用

水稲、小麦、果樹、茶園など、さまざまな作物での活用が進んでいる。
地域農協や自治体が主体となり、共同防除(共同散布)体制を構築して運用するケースも増加している。
さらに、AI解析による病害虫検知や可変散布技術(必要な場所にだけ薬剤を散布する制御)など、より高度な精密農業への展開も期待されている。


関連用語: RTK測位/飛行計画/カテゴリーⅡ/安全対策/登録講習機関