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ドローン大辞典

空域分離|用語解説|ドローン大辞典

概要

空域分離とは、ドローンと有人航空機、または複数のドローンが安全な間隔を保ち、衝突リスクを最小化するために空域を区分・管理する仕組みを指す。航空機優先の原則のもと、航空法による高度制限、緩衝空域の設定、DIPS2.0を用いた飛行計画の通報、戦略的対策と戦術的対策の組み合わせにより、空域の安全性が確保される。本項目では、空域分離の目的、関連概念、運用上の対策、UTMによる高度化について整理する。


空域分離の目的と航空法上の位置付け

空域分離の基本目的は、航空機の安全を最大限優先し、衝突リスクを防止することである。

  • 高度150m以上の空域および空港等周辺の空域におけるドローン飛行の原則禁止は、航空機が主に利用する空域との分離を確保するためである。

  • 航空機とドローンの進路が交差または接近する場合、航空機の操縦者がドローンを視認して回避することは困難である。

  • 機動性の高さを考慮し、無人機側が回避行動を取ることが妥当とされ、航空機は進路権を持つ。

これらの規定は、航空法と許可・承認制度によって制度化されている。


空域を区別する概念と分離の枠組み

空域分離の検討には、以下の空域構造を理解することが重要となる。

オペレーション空間

想定飛行空間と想定外飛行空間を合わせた空間で、正常運航から軽度の異常までを含む範囲である。

空中リスク緩衝空域

オペレーション空間を逸脱した際に空中リスクを評価する任意設定のエリアで、他の空域利用者との分離に寄与する。

隣接エリア

緩衝空域の外側に位置し、ドローンが制御不能な状態で進入した場合に高リスクとなる区域であり、進入を防ぐ対策が求められる。

これらの概念は、リスク評価や安全確保措置の計画における基礎となる。


空域分離を確実にする戦略的対策と戦術的対策

空域分離は、事前計画による戦略的対策と、運用中の戦術的対策の組み合わせで実現される。

戦略的対策(事前対策)

  • 時間帯を限定した運用

  • 飛行範囲や高度の調整

  • 空域の利用ルールに基づく計画立案

ドローンが航空機と遭遇する可能性を低減することが目的である。

戦術的対策(運用中の対策)

  • 航空管制システムを利用して間隔維持を図る

  • 衝突回避システム等の技術を用いる

  • 操縦者が視認し回避行動をとる

これらは空中接近が発生した際の即応的な安全対策となる。


運航管理システム(UTM)との関係

空域分離を安定して実現するため、運航管理システム(UTM)の導入が進められている。

  • リアルタイム把握:UASSPを用いて他機体の位置を把握し、アラートにより接近を早期に検知する。

  • 制度的課題への対応:計画重複時の調整、回避行動のルール設定、有人機動態情報の共有方法などが検討課題である。

  • 自動的・効率的な空域分離の実現:UTMとドローン航路を組み合わせることで、空域利用の効率化が期待される。


関連用語:空域競合/飛行計画/DIPS2.0/航空法/オペレーション空間/空中リスク緩衝空域/戦術的対策/戦略的対策/航空交通管制部/緊急用務空域