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ドローン大辞典

異常対応手順|用語解説|ドローン大辞典

概要

異常対応手順とは、ドローンの飛行中や運航中に発生する異常事象に対して、操縦者や運航管理者が取るべき対応をあらかじめ定めた手順のことを指す。
航空法および関連ガイドラインでは、飛行計画の立案時にリスク評価とあわせて異常時対応策を明示することが求められている。
異常対応手順の整備は、事故や重大インシデントの防止だけでなく、再発防止策の基礎にもなる。


対象となる異常事象

異常対応手順で想定すべき事象は多岐にわたる。代表的な例を挙げると次の通りである。

  • 通信途絶(操縦電波・データリンクの断絶)

  • バッテリー異常(電圧低下、過熱など)

  • GNSS(衛星測位)信号の喪失または異常

  • センサー・制御装置の故障

  • 想定外の風・突風・気象変化

  • 他機との接近・衝突回避行動

  • 緊急着陸が必要な状況

これらの事象は飛行前に想定し、事前に明確な判断基準と行動手順を定めておくことが重要である。


手順策定の考え方

異常対応手順は、運航計画やCONOPS(運用概念書)と整合させて作成する。
策定にあたっては、リスク評価ガイドラインに基づき、「ハザード(危険要因)→スレット(脅威)→リスク低減策」という流れで整理することが推奨される。
手順書には、以下の内容を含めることが望ましい。

  • 異常発生の検知方法

  • 判断基準(例:電圧〇V未満、リンク断5秒以上など)

  • 具体的行動(緊急着陸、帰還、補助者への指示など)

  • 通報・記録の手順(関係機関・管理者への報告)

また、操縦者だけでなく補助者や運航管理者も同一内容を共有し、訓練や模擬飛行で実践確認を行うことが望ましい。


実務での運用

飛行前のブリーフィングでは、異常対応手順を必ず確認し、各メンバーの役割を明確にする。
特に、カテゴリーⅡやⅢに該当する飛行では、第三者被害を最小化するための安全対策として、手順の有効性が重視される。
万一の事態が発生した際には、定められた手順に基づき行動することで、被害の拡大を防ぎ、事故報告や原因究明も円滑に進む。


記録と改善

異常対応後は、必ず内容を記録し、分析結果をもとに手順を見直す。
同様の事象が再発しないよう、リスク評価や飛行計画にも反映することが求められる。
運航組織としては、定期的なレビューや教育訓練の実施により、手順の実効性を維持することが重要である。


関連用語: 飛行計画/リスク評価/ハザード/スレット/事故・重大インシデント