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ドローン大辞典

リンクロスト|用語解説|ドローン大辞典

概要

リンクロスト(Link Loss)は、ドローンと操縦者が使用する送信機・地上局との間で通信が途絶した状態を意味し、飛行の継続が困難になる重要なハザードに分類されます。重大インシデントの対象にも含まれるため、運航者には適切な危機回避手順と通信環境の事前確認が求められています。


リンクロストの位置づけとリスク

リンクロストは、通信途絶によって操縦不能が生じる危険性があるため、航空法関連の文書では重大インシデントの一種として扱われています。操縦不能の発生は最終的に墜落や第三者への影響につながるため、リスク評価では必ず検討対象となります。特にカテゴリーⅢ飛行のような高度な飛行では、安全目標達成のために通信系統の信頼性が重要視されます。


通信途絶が発生する主な要因

リンクロストは複数の環境要因や機器の状況が重なって発生します。

  • 電波状況の悪化(混信、ノイズ、送信出力の不足)

  • 高圧線、変電所、電波塔など強い電磁環境

  • Wi-Fiや無線LANなど周囲の通信設備

  • 山や建物による反射で起こるマルチパス

  • 送信機や受信機の機器故障

これらが重なると、操縦者が入力した操作が機体に届かなくなり、安全性が大きく損なわれます。


機体が備えるべきフェールセーフ機能

リンクロストが発生しても、機体が自律的に危機回避行動をとれるよう設計されています。

  • 電波断絶時の自動帰還(RTH)

  • 通信復帰まで現状位置を維持するホバリング

  • バッテリー残量不足に伴う自動着陸

  • GPS障害時でも手動で安定飛行ができる操縦性

これらの機能は、通信途絶時の事故を防ぐための基本要素として求められています。


操縦者が行うべき手動対応

通信が一時的に不安定になった場合、操縦者は環境に応じた復旧操作を行う必要があります。

  • アンテナの向きや角度を変える

  • 送信機を高い位置に上げる

  • 障害物との位置関係を調整する

マルチパスや干渉が原因の場合、これらの対処で通信が回復することがあります。


運航計画段階での対策

リンクロストを予防するためには、事前の通信環境の把握が不可欠です。

  • 飛行経路全域の電波状況の確認

  • 必要に応じた電波測定の実施

  • LTE通信を用いる場合はキャリアの電波強度を確認

  • 通信困難エリアを経路から除外

  • 障害物や周囲の無線局の把握

特に市街地や送電線周辺は電波リスクが高く、飛行前の確認が強く推奨されます。


安全確保措置と緊急時の対応

飛行中にリンクロストが発生した場合に備え、緊急着陸地点の設定や安全な回避行動を事前に定めておく必要があります。物件投下や曳航などを伴う飛行では、通信途絶時の第三者影響を防ぐため、補助者の増員や周辺確認などの措置が求められます。


関連用語

通信途絶/フェールセーフ/RTH/送信機/電波干渉/マルチパス/LTE通信/飛行計画/異常対応手順/安全確保措置