ドローン大辞典
危険防止措置|用語解説|ドローン大辞典
概要
危険防止措置は、単なる安全配慮ではなく、航空法上の義務として明確に位置づけられている概念である。特に事故発生時には、操縦者および運航者が直ちに一定の対応を取ることが求められ、これを怠った場合には刑事罰の対象となる可能性がある。
事故発生時の危険防止措置(法的義務)
ドローンの飛行により、人の死傷、物件の損壊、航空機との衝突・接触などの事故が発生した場合、操縦者および運航者は直ちに以下の措置を講じなければならない。
飛行の停止
事故が発生した場合は、当該ドローンの飛行を直ちに中止する。負傷者の救護
負傷者がいる場合は、救護を最優先で実施する。危険の拡大防止
火災が発生している場合には消防へ通報し、必要に応じて消火活動を行う。機体が墜落した場合には、交通への支障やバッテリーの発火などにより周囲へ危険が及ばないよう、速やかに電源を切るなどの措置を講じる。警察等への通報
事故の内容に応じて、警察署、消防署、その他必要な関係機関へ連絡する。
これらの危険防止措置を講じなかった場合、2年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性がある。
飛行中に講じる危険防止措置(回避行動・予防)
飛行中に予期せぬ事態が発生した場合にも、事故を未然に防ぐための措置を直ちに講じなければならない。
第三者が飛行経路下や立入管理区画に立ち入った、またはそのおそれがある場合には、直ちに飛行を停止し、飛行経路の変更や安全な場所への着陸を行う必要がある。特にレベル3飛行などでは、カメラやセンサーにより第三者の立ち入りを検知し、適切に対応することが厳格に求められる。
また、飛行中に有人航空機(ドクターヘリ等)の接近を確認した場合には、直ちに地上へ降下させるなどして衝突を回避する措置をとる。
突風の発生などにより安全な飛行が困難となった場合も、不測の事態として速やかに飛行を中止することが必要である。
事前に講じる危険防止措置(予防的措置)
危険防止措置は、事故後の対応や飛行中の回避行動に限られない。飛行前に講じる予防的措置も重要な要素である。
人口集中地区や人・物件の近くで飛行させる場合には、接触時の危害を軽減するためにプロペラガードを装備する。電波断絶やバッテリー低下時に自動帰還や安全着陸を行うフェールセーフ機能の設定も必要である。
さらに、万が一の落下に備え、落下分散範囲を考慮した立入管理区画を設定し、コーンや看板により第三者の立ち入りを防止する。
操縦者や補助者は、ヘルメットや保護メガネ、長袖・長ズボンなどの保護具を着用し、自身の安全確保にも配慮する。
結語
危険防止措置とは、安全運航のための包括的な対策を指す概念であるが、法的に最も重要なのは、事故発生時に被害の拡大を防止するために直ちに講じるべき緊急対応である。救護、飛行停止、通報などの措置は法令上の義務であり、これを怠れば重い罰則の対象となる。ドローン運航においては、常に危険防止措置を前提とした体制と判断が求められる。