ドローン大辞典
レベル3|用語解説|ドローン大辞典
概要
レベル3飛行とは、無人地帯において補助者を配置せず、操縦者がドローンを直接目視できない状態で行う目視外飛行を指す飛行形態である。山間部、海上、河川、森林など第三者が存在しない、または立ち入りを管理できる空間での長距離・広範囲運航を想定した制度であり、日本の飛行レベル区分において重要な位置づけを持つ。
レベル3飛行の定義と特徴
レベル3飛行は、目視外飛行(BVLOS)でありながら、有人地帯ではなく無人地帯を前提とする点が最大の特徴である。
飛行形態
操縦者がモニター等で機体を監視しながら行う目視外飛行である。飛行場所
山、海、河川、森林、離島など、第三者が存在しない、または第三者の立ち入りを管理できる無人地帯が対象となる。カテゴリー区分
航空法上はカテゴリーⅡ飛行に分類される。
有人地帯での目視外飛行に該当するカテゴリーⅢ(レベル4)とは明確に区別される。主な用途
離島・山間部への物資輸送、広範囲のインフラ点検、災害時の被害状況把握など、人が常時存在しない場所での長距離飛行に利用される。
立入管理措置と飛行要件
レベル3飛行を行うためには、飛行経路の下に第三者が立ち入らないようにする立入管理措置を講じることが必須とされている。
従来のレベル3飛行では、以下のような措置が求められてきた。
補助者の配置
飛行経路全体または要所を見渡せる位置に補助者を配置し、第三者の接近や立ち入りを監視する。看板・コーン等の設置
立入管理区画であることを明示し、関係者以外の立ち入りを防止する。道路・鉄道横断時の対応
道路や鉄道を横断する場合には、機体を一時停止させる、または補助者による安全確認を行うことが必要となる。
これらの措置により、無人地帯であることを運用上も担保することがレベル3飛行の前提条件となっている。
レベル3.5飛行という規制緩和
2023年12月、従来のレベル3飛行の一部要件を緩和した新たな制度として、レベル3.5飛行が新設された。
レベル3.5飛行では、一定の条件を満たすことで、従来必須とされていた補助者配置や看板設置が不要となる。
レベル3.5飛行の要件は以下の3点をすべて満たすことで成立する。
操縦ライセンスの保有
目視内飛行の限定解除を受けた一等または二等無人航空機操縦士の技能証明を有していること。保険への加入
第三者賠償責任保険に加入していること。機上カメラの活用
機体に搭載されたカメラにより、飛行経路下に第三者が存在しないことを操縦者が確認できること。
この制度により、無人地帯での配送や点検業務を、より少ない人的配置で実施できるようになった。
飛行レベルの整理
ドローンの飛行レベルは、飛行形態と場所によって以下のように整理される。
レベル | 飛行形態 | 場所 | 補助者 | 必要な措置・要件 |
レベル1 | 目視内・手動操縦 | - | - | 基本的なルール遵守 |
レベル2 | 目視内・自動操縦 | - | - | 基本的なルール遵守 |
レベル3 | 目視外飛行 | 無人地帯 | なし | 立入管理措置(補助者・看板等)が必須, |
レベル3.5 | 目視外飛行 | 無人地帯 | なし | 機上カメラ確認+ライセンス+保険(看板・補助者不要), |
レベル4 | 目視外飛行 | 有人地帯 | なし |
運用上の位置づけ
レベル3飛行は、人がいない空間に限定することで、目視外という高度な運航を現実的に可能とする制度である。
特にレベル3.5の導入により、無人地帯におけるドローン物流やインフラ点検は、実務としての実装が進みやすい段階に入ったといえる。
一方で、無人地帯であることの判断や、第三者侵入時の即時対応体制は引き続き重要であり、運航計画とリスク管理の妥当性が常に求められる。