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ドローン大辞典

赤外線検知システム|用語解説|ドローン大辞典

概要

赤外線検知システム(Infrared Sensing System)とは、赤外線センサーを利用して周囲の物体や障害物、温度分布を検出するドローン搭載型のセンシングシステムである。
この技術は、夜間や低照度下でも物体を識別できるため、障害物回避、監視、点検、救助、測量など幅広い分野で利用されている。


主な機能

赤外線検知システムは、ドローンの安全運航と作業効率化の両面で重要な役割を果たす。

  • 障害物検知と回避:赤外線の反射特性を利用して障害物までの距離を測定し、自動減速や停止を実行。

  • 夜間飛行支援:可視光が不足する環境でも物体を検知し、安全な飛行経路を確保。

  • 温度異常検出:設備点検や防災業務において、赤外線カメラが異常発熱箇所を特定。

  • 人・動物の検知:災害救助や監視任務で、体温をもとに人や動物の位置を特定。

  • 環境認識補助:霧・煙・粉塵などの条件下で、可視光カメラの補助として利用。

特に、前方・下方ビジョンシステムと組み合わせることで、より高いレベルの障害物検知・自律飛行が実現する。


技術的特徴と制約

赤外線検知システムは照明条件に依存せず高精度な検知を行える利点を持つが、以下のような制約がある。

  • 反射率の低い素材(黒色樹脂など)は検知しづらい。

  • 雨、霧、雪などで赤外線が散乱し、誤検知が生じることがある。

  • 強い太陽光下では赤外線ノイズが増加し、測距精度が低下する。

  • 温度差の少ない環境(夜間の均一な地表など)では、検出感度が落ちる。

そのため、赤外線検知は単独運用よりも、ビジョンセンサーや超音波センサーと組み合わせた多層検知システムとして運用されることが多い。


法制度と安全運用

航空法上、赤外線検知システムの搭載は義務化されていないが、特定飛行(カテゴリーⅡ・Ⅲ)を行う場合には、機体の安全装備として申請書に明記することが推奨される。
国土交通省の「無人航空機リスク評価ガイドライン」においては、赤外線センサーを利用した障害物検知機構は、安全目標(OSO)#06(衝突防止)および#10(技術的問題からの安全な復旧)に該当する。
また、夜間飛行(航空法第132条の87)を行う際には、赤外線検知システムが視認補助装置として安全対策の一部に位置づけられることがある。


実務上の留意点

  • 飛行前にセンサーのレンズ面を清掃し、汚れや曇りを除去する。

  • プリフライトチェックで赤外線検知が正常作動するか確認する。

  • 夜間・悪天候時は、赤外線センサーの有効範囲を理解した上で運用する。

  • 定期的にキャリブレーションを実施し、温度補正や測距誤差を最小化する。

  • 安全性向上のため、フェールセーフ機能およびRTHとの連携を確認しておく。


関連用語:前方ビジョンシステム/後方ビジョンシステム/ToFセンサー/フェールセーフ機能/RTH/夜間飛行/カテゴリーⅡ/カテゴリーⅢ/安全目標(OSO)/航空法

参考元:無人航空機リスク評価ガイドライン
福島ロボットテストフィールド:https://rtf.f-rei.go.jp/