ドローン大辞典
雨|用語解説|ドローン大辞典
概要
雨とは、ドローンの運航において飛行の可否や安全性、成果物の品質に直接影響を与える気象要素の一つである。原則として雨天時のドローン飛行は推奨されず、多くの運航マニュアルや安全ガイドラインにおいて禁止事項として扱われている。ただし、製造者が雨天飛行を認めている耐水性能を有する機体に限り、一定条件下で例外的に飛行が可能とされる場合がある。
飛行に関する基本ルール
雨に関する運航ルールは、原則と例外が明確に区別されている。
原則禁止
雨が降っている場合、または飛行中に雨が降るおそれがある場合には、ドローンを飛行させないことが基本ルールとされている。例外となる条件
製造者が定める取扱説明書等において、雨天時の飛行が可能であること、すなわち耐水・防水性能が明示されている機体に限り、飛行が認められる場合がある。
ただし、全天候型の機体であっても、仕様で定められた耐水性能を超える降雨量や降雨強度の下では飛行させてはならない。
機体およびシステムへの影響
雨はドローンの機体構造や搭載システムに対して、以下のような悪影響を及ぼす。
電気系統・モーターへの影響
雨水が機体内部に侵入すると、電気系統の短絡やモーターの不具合を引き起こすおそれがある。これにより制御不能や推力喪失が生じ、墜落事故につながる可能性が高まる。
レーザー測量
雨や霧はレーザー光を散乱・乱反射させるため、地表や構造物の正確な取得が困難となり、欠測や誤測の原因となる。写真測量
降雨時は光量不足になりやすく、水滴によるレンズ汚れや画像の歪みが発生するため、解析に適さない条件とされている。
運航管理とリスク対策
雨に対するリスクを低減するため、運航時には以下の対応が求められる。
飛行前の確認
天気予報に加え、アメダスや気象レーダーなどを用いて、最新の降雨状況や雨雲の動きを確認する。あわせて、使用機体の耐水性能や運用限界を事前に把握しておく必要がある。飛行中の対応
飛行中に雨が降り出した場合や、天候の急変が予想される場合には、直ちに飛行を中止し、安全に着陸させる判断が求められる。飛行後の点検
飛行後は、機体に水分や泥、汚れが付着していないかを確認し、清掃および十分な乾燥を行うことが推奨される。これは日常点検の一環として重要な工程である。
レベル3・レベル4飛行における位置づけ
目視外飛行を伴うレベル3飛行や、第三者上空を飛行するレベル4飛行では、雨に対してより厳格な扱いが求められる。
リスク評価
降雨、雹、着氷といった気象リスクに対する機体性能を考慮し、運航計画(CONOPS)の段階で運用限界を超えないよう評価を行う必要がある。緊急時対応
飛行中に運用限界を超える降雨が発生した場合に備え、安全に着陸させるための異常時対応手順を事前に定めておくことが求められる。
運航上の考え方
雨は、ドローンにとって故障、墜落、データ欠損といった重大リスクを引き起こす要因である。防水仕様の機体を使用する場合を除き、雨天時の飛行は行わないことが原則である。また、防水機体であっても、レーザー測量などミッション内容によっては実施できない場合があるため、気象条件と運航目的を総合的に判断することが重要である。