ドローン大辞典
第一種型式認証|用語解説|ドローン大辞典
概要
第一種型式認証は、無人航空機の型式ごとに設計・性能・安全装備・製造工程を包括的に審査し、基準適合を確認する仕組みである。
同一仕様で生産される機体群に対して有効であり、量産段階での安全性を確保する。
個別機の適合を確認する第一種機体認証とは目的と粒度が異なり、前者は型式全体、後者は個体ごとの適合確認である。
認証の対象と要件
第一種型式認証の対象は、第三者上空を含む高リスク環境での運用を想定した高信頼性ドローンである。
審査は技術基準と運航安全要求に基づき、運航に関わる安全目標(OSO)達成のロバスト性を重視して行われる。
システム安全・信頼性の確保(OSO#05)
制御装置、電源、通信経路などの冗長設計を実装し、単一故障で安全性が損なわれない構成とする。危機回避と復旧の設計(OSO#10)
異常発生時のフェールセーフやフェイルオペレーショナル動作を規定し、意図しない挙動を防止する。外部依存の劣化管理(OSO#12)
通信断やGNSS喪失時に安全帰還・安全着陸へ移行できる制御ロジックを備える。落下時の危害軽減(M2相当の軽減策)
パラシュート等の落下危害軽減装置の装備や同等の軽減手段を講じる。製造品質とトレーサビリティ(OSO#02)
形態管理、受入検査、識別・追跡、サプライヤ管理を含む品質マネジメント体制を確立する。
これらはリスク評価の結果で決まる安全性と保障のレベル(SAIL)に整合し、要求水準に見合うロバスト性を満たす必要がある。
航空法上の位置づけ
第一種型式認証は、航空法第11章の2に基づく無人航空機の安全確保制度の一部である。
型式認証済みの量産機は、後段の第一種機体認証で設計・製造過程に関する重複審査が省略され、審査の迅速化と事業者負担の軽減につながる。
また、機体側のOSO適合が事前に担保されるため、カテゴリーⅢ飛行のリスク評価における機体要因の不確実性が低減され、飛行マニュアル策定を支援する。
実務での活用
第一種型式認証を受けたドローンは、以下のような高リスク運航分野で活用されている。
日本では、2023年にACSL社のPF2-CAT3が初の第一種型式認証を取得しており、これを皮切りに他メーカーの申請も進行している。
今後の展望
第一種型式認証は、レベル4飛行を実現するための根幹制度であり、今後は国内メーカーのみならず、海外機体との相互承認制度の構築が検討されている。
国は、2025年までに複数機種の認証取得を目標としており、物流・警備・防災分野での実用化を加速させる方針を示している。
また、機体性能の標準化や安全設計の国際基準化を通じて、日本発のドローン安全認証制度をグローバルに展開する動きも進んでいる。
関連用語: カテゴリーⅢ飛行/レベル4飛行/第一種機体認証/一等無人航空機操縦士/DIPS2.0/リスク評価/安全性と保障のレベル(SAIL)/運航に関わる安全目標(OSO)/ロバスト性/UTM/冗長性