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ドローン大辞典

フェイルセーフ|用語解説|ドローン大辞典

概要

フェイルセーフは、ドローンに異常が発生した際に自動的に安全な状態へ移行し、墜落や暴走を防ぐための危機回避機能を指す。電波断絶、GNSS異常、バッテリー異常など、運航中に起こり得るトラブルに対し、機体が自律的に安全動作へ切り替わる仕組みとして位置付けられ、特に目視外飛行や大型機運用では必須の安全要件となっている。


フェイルセーフの主な機能

資料では、代表的な異常事態とそれに対応するフェイルセーフ機能が以下のように整理されている。

電波断絶(通信ロスト)

操縦装置との通信が途絶した場合、以下の動作を行う機能が求められる。

GNSS(GPS)異常

GNSS信号の受信に異常が生じた場合、機体は次のいずれかの方法で安全動作に移行する。

  • 電波復帰まで空中で位置を維持する

  • 自動着陸を行う

  • GNSS以外のビジョンセンサ等で位置情報を取得し、飛行を継続する

バッテリー異常

電圧低下、容量不足、温度異常などが発生した際には、次のような安全機能が求められる。

  • 発煙・発火を防止するための保護動作

  • 離陸地点へ強制的に帰還する動作

  • その場で安全に自動着陸する動作


運用上のルール

操縦者は、フェイルセーフが適切に作動するよう事前の設定や点検を行う責務を負う。

事前設定

飛行前に飛行制御アプリケーション等で、通信ロスト時の動作(ホバリング/自動帰還など)を適切に設定する必要がある。

飛行前点検

飛行準備の一環として、フェイルセーフ機能が正しく設定され、作動可能な状態であることを確認する。

目視外飛行での必須要件

補助者を配置しない目視外飛行(レベル3・レベル4)を行う場合、異常発生時にフェイルセーフ機能が確実に作動することが、許可・承認の必須要件とされている。


大型機(25kg以上)のフェイルセーフ要件

最大離陸重量25kg以上の大型ドローンでは、機体の慣性力や運航リスクの高さから、より詳細で厳格なフェイルセーフ要件が課される。対象となる系統は次の通り。

  • 通信系統(電波悪化、故障、混信など)

  • 推進系統(モーター停止、回転数異常など)

  • 電源系統(主電源消失など)

  • 自動制御系統(制御計算機の故障など)

これらの系統に不具合が発生した場合でも、安全な姿勢保持、自動着陸、自動帰還など適切な動作を行える機構が求められる。


万が一の事態に備え、被害を最小限に抑えるために設計されたフェイルセーフは、ドローン運航の根幹を支える安全機能である。とりわけ目視外飛行や大型機運用では、フェイルセーフの有無と品質がそのまま安全性に直結するため、確実な設定と点検が欠かせない。


関連用語:リンクロスト/自動帰還(RTH)/GNSS/目視外飛行/異常時対応手順/立入管理区画/DIPS2.0