ドローン大辞典
国勢調査|用語解説|ドローン大辞典
概要
国勢調査とは、日本国内の人口や世帯の実態を把握するために5年ごとに実施される基幹統計調査であり、ドローンの運航においては、人口集中地区(DID)を定義するための基礎データとして用いられている。ドローン規制の文脈では、飛行禁止空域の判定や地上リスク評価の根拠となる、極めて重要な位置づけを持つ。
人口集中地区(DID)の定義と国勢調査
ドローンの飛行において特に注意が必要な空域の一つが、人口集中地区(DID)である。
人口集中地区とは、国勢調査の結果を基に、一定の人口密度や居住実態の基準を満たした地域を抽出したもので、「人や家屋が密集している地域」を客観的に示す区分である。
このDIDの設定は、5年ごとに実施される国勢調査の結果に基づいて更新される。
現在、ドローン規制において参照されているのは、令和2年(2020年)国勢調査の結果に基づく人口集中地区である。
ドローン運航への直接的な影響
国勢調査に基づいて指定された人口集中地区内では、航空法により以下の扱いがなされる。
人口集中地区の上空は、地上の第三者の安全確保を目的として、原則としてドローンの飛行が禁止されている。この空域で飛行を行う場合には、事前に国土交通省を通じて、国土交通大臣の飛行許可を受ける必要がある。
そのため、国勢調査の結果は、ドローンが「飛ばせるか、飛ばせないか」を判断するための根拠データとして直接的に運航判断へ影響を与える。
リスク評価における国勢調査データの活用
国勢調査のデータは、単なる飛行可否の判定にとどまらず、より高度なドローン運航におけるリスク評価にも活用されている。
レベル4飛行などの高度な運航では、地上リスクを定量的に評価する必要がある。この際、国勢調査は、飛行エリア内の人口密度を把握するための「静的な人口密度データ」として用いられる。
特に、夜間運航などにおいて平均的な人口分布を推定する場合、信頼性の高い基礎データとして国勢調査の結果が参照される。
人口集中地区(DID)の確認方法
飛行予定地点が国勢調査に基づく人口集中地区に該当するかどうかは、地図情報を用いて確認することができる。
代表的な確認方法として、国土地理院が提供する地図サービスがある。これらの地図では、人口集中地区が赤色で表示されており、視覚的に判別することが可能である。
運用上の位置づけ
ドローン運航において「国勢調査」という言葉が用いられる場合、それは統計そのものではなく、人口集中地区の指定や地上リスク評価に用いられる最新の人口データを指していると整理できる。
現行制度では、令和2年国勢調査の結果が基準となっているため、今後の国勢調査の更新に伴い、人口集中地区の範囲が変更される可能性がある点にも留意が必要である。