ドローン大辞典
CLAS|用語解説|ドローン大辞典
概要
CLAS(Centimeter Level Augmentation Service/センチメータ級測位補強サービス)は、誤差が数センチメートルという極めて高精度な測位を実現する日本独自の衛星補強サービスである。一般的なGPS単独測位の誤差(数m〜10m)を大きく上回る精度を提供し、ドローンの自律飛行・測量・精密農業などに広く応用されている。
高精度測位の特徴
CLASを利用した測位では、以下の精度が(95%の確率)で実現される。
静止時:水平精度 6cm以下
移動時:水平精度 12cm以下
高精度な測位が求められるドローン測量や自律航行において、大きなメリットとなる。
仕組み(PPP-RTK方式)
CLASは、PPP(Precise Point Positioning)とRTK(Real Time Kinematic)の要素を組み合わせたPPP-RTK方式を採用している。
全国約1,300か所の国土地理院「電子基準点」の観測データを利用
衛星軌道誤差・時計誤差・電離圏・対流圏遅延などを補正
受信機はL6D信号を受信し、リアルタイムで高精度測位を実行
地上通信に依存せず、衛星から直接補正データを取得できる点が大きな特徴となる。
ドローン運用におけるメリット
RTK-GNSSとの比較により、CLASの利便性が際立つ。
地上通信・基準局が不要
RTK方式では、基準局と通信するためのLTEなどの通信環境が必須である。
一方、CLASは衛星から補強情報を直接受信するため、
山間部
海上
携帯電波が弱い農地
といった通信環境が不安定な場所でも高精度測位が可能となる。
無償で利用可能
サービス自体は無料で提供されており、導入コストを抑えながら高精度測位環境を構築できる(ただしCLAS対応受信機が必要)。
利用にあたっての注意点
専用受信機が必要
L6帯の補強信号を受信できるアンテナ・受信機が必要。日本国内限定サービス
電子基準点網を利用するため、利用可能エリアは日本国内に限られる。初期収束時間が必要
高精度測位が安定するまで、電源投入後おおむね1分程度の時間がかかる。
他の測位補強サービスとの違い
SLAS(サブメータ級測位補強サービス)
精度は1m程度。既存GPS受信機の小規模な改良で利用可能。MADOCA-PPP
精度10cm〜数十cm。日本に限らずアジア・太平洋地域で利用可能だが、収束に時間を要する。
CLASは、通信環境が確保しづらいエリアでの高精度測位を可能にする点で、特にドローンの測量・インフラ点検・精密農業で大きな効果を発揮している。