ドローン大辞典
MADOCA-PPP|用語解説|ドローン大辞典
概要
MADOCA-PPPは、JAXAが開発した補正技術MADOCAを用いて、基準局に依存せず単独でセンチメートル級の精度を実現する精密単独測位(PPP)のことである。準天頂衛星から配信される補正情報を受信して実行され、地上利用だけでなく衛星オンボード測位にも応用されている。
MADOCA-PPPとは
MADOCA-PPPは、JAXAが開発したMADOCA(Multi-GNSS ADvanced Orbit and Clock Augmentation)による精密な軌道・時計誤差補正情報を利用して行う高精度測位方式である。
主な特徴は次のとおり。
地上の基準局を必要とせず、単独測位でセンチメートル級の精度を実現
準天頂衛星(QZSS)などから補正情報を受信し、衛星誤差を除去
PPP方式の一種で、従来のPPPより収束性と精度が向上
この仕組みにより、通信環境や基準局が確保できない場所でも高精度測位が可能となる。
衛星オンボードPPPでの活用
資料では、MADOCA-PPPが地球観測衛星に搭載され、衛星自身が宇宙空間でリアルタイム測位を行う「衛星オンボードPPP」として紹介されている。
目的
衛星画像の処理には撮影時の衛星位置(軌道情報)が不可欠であり、従来は地上で数日かけて精密軌道を計算していた。
MADOCA-PPPを衛星側で実行することで、撮影から提供までの時間を数日から数時間へ大幅に短縮できる。システム構成
衛星には、MADOCA-PPPを処理する演算装置(H2-OBC)、複数GNSS対応受信機、アンテナなどが搭載される。
この運用により、リモートセンシングの即時性と精度が大きく向上する。
性能と仕様
衛星オンボードでのMADOCA-PPPは、以下の仕様や性能が示されている。
測位精度
3D RMSで10cm以下を目標とし、解析では約7.6cm〜8.3cmを達成。収束時間
5分以下を仕様とし、短時間で高精度な状態に到達する。
地上向けMADOCA-PPPの収束が30分以下であるのに対し、オンボードではより迅速性が求められる。サービス範囲
準天頂衛星の信号が受信できるアジア・オセアニア地域。
これらの仕様により、宇宙空間でも地上と同等の高精度測位が可能となる。
他の高精度測位サービスとの比較
MADOCA-PPPは、世界の主要なPPPサービスと並ぶ高精度測位方式であり、次のような特徴を持つ。
Galileo HAS
世界対応、収束時間5分以下。即時性でMADOCA-PPPと同等。PPP-B2b(BeiDou)
中国・周辺地域対象、収束20分以下。MADOCA-PPP
QZSSの受信可能範囲でサービス提供、高精度補正情報が強み。
地域性はあるものの、精度と収束時間の両面で国際的にも高い評価を受ける技術である。