HUB DRONE HUB

ドローン大辞典

基準局|用語解説|ドローン大辞典

概要

基準局とは、RTK-GNSSなどの高精度測位を行う際に、位置の基準として固定された点に設置されるGNSS受信機である。ドローンやICT建設機械などの移動局に対し、測位誤差を補正するためのデータを送信し、数センチメートル級の測位精度を実現するための中核的な装置である。


基準局の役割と仕組み

GNSSは、単独で衛星信号を受信するだけでは数メートル程度の誤差が生じる。この誤差を補正するため、正確な座標が既に分かっている既知点に基準局を設置し、同時に衛星信号を観測する。

基準局では、自身の既知座標と、衛星信号から算出された測位結果との差分を計算する。この差分情報が補正データであり、リアルタイムに無線や通信回線を通じて移動局へ送信される。移動局はこの補正データを用いることで、自身の測位結果を修正し、センチメートル級の高精度な位置情報を得る。


基準局の主な種類

資料では、基準局の形態として以下の三つが示されている。

現場設置型(固定基準局)

工事基準点などの既知点上に、三脚等を用いてGNSSアンテナを設置する方式である。

  • 現場専用の基準局となるため、通信の安定性が高く、ICT建設機械の制御やドローンのRTK飛行で多く利用される。

  • メーカー純正の基準局機器(例としてDJI D-RTK 2など)もこの方式に含まれ、通信回線が利用できない山間部でも運用できる利点がある。

ネットワーク型RTK(VRS/FKP)

現場に物理的な基準局を設置せず、国土地理院の電子基準点データを利用して、仮想的な基準局を生成する方式である。

  • 現地での基準局設置が不要となる一方、携帯電話回線などの通信環境が必須となる。

電子基準点

国土地理院が管理する恒久的なGNSS観測点である。

  • ネットワーク型RTKの基盤として利用されるほか、後処理キネマティック(PPK)解析などで補正データとして利用される。


基準局設置時の重要なルール

現場設置型の基準局を用いる場合、測位精度を確保するためにいくつかの条件を満たす必要がある。

  • 必ず座標が正確に定まっている基準点や工事基準点の上に設置すること

  • 上空視界が確保され、衛星信号を遮る障害物が少ない環境を選定すること

  • 建物やフェンスなどによる電波反射を避け、マルチパスの影響を抑えること

  • 計測中に動かないよう、アンテナと三脚を安定して固定すること

  • 無線通信を用いる場合、通信可能距離が一般に500mから1km程度であることを考慮し、見通しの良い位置に設置すること

基準局の設置位置や環境条件に誤りがあると、補正を受けるすべての移動局の座標に系統的なズレが生じるため、設置作業は極めて重要である。


まとめ

基準局は、移動するドローンやICT建設機械に対して正しい位置情報を提供するための基準となるGNSS受信機である。RTK-GNSSを用いた測量やICT施工を成立させるためには、基準局を正確な既知点上に、適切な環境で設置することが前提条件となる。


関連用語:RTK-GNSS/移動局/工事基準点/電子基準点/ローカライゼーション/ICT建設機械