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ドローン大辞典

地籍調査|用語解説|ドローン大辞典

概要

地籍調査とは、土地の戸籍にあたる地籍を明確にするため、一筆ごとの土地について所有者、地番、地目を調査し、境界(筆界)と面積(地積)を測量する事業である。近年は、UAV(ドローン)を用いた航測法が導入され、特に農村・里山地域における調査手法が大きく転換している。


乙1区域におけるUAV導入の制度変更

従来、航空測量を用いた地籍調査は、主に山村部に該当する乙2区域および乙3区域で実施されてきた。令和6年の制度改正により、令和7年3月からは乙1区域でもUAVを用いた航測法が可能となった。

乙1区域は、道路、集落、耕作地などが混在する里山・農村部であり、山間部と比べて地形や権利関係が複雑である。このため、従来は現地立会いを前提とした地上法が中心であったが、UAV技術の進展により、低高度で高精細なデータ取得が可能となり、筆界推定に必要な精度を確保できるようになったことが導入の背景にある。


UAVを用いた地籍調査の流れ

UAVを活用した地籍調査では、現地で一筆ずつ立会いを行う方法から、データを基に筆界案を作成し、机上で確認する方法へと調査の重心が移っている。

データ取得

調査対象の状況に応じて、UAVレーザ測量とUAV写真測量を使い分ける。
UAVレーザ測量は、草木の下にある地表面を計測できるため、耕作放棄地や山林など、写真では地面が確認しにくい区域で有効とされる。
UAV写真測量は、道路や水路など、上空から視認しやすい地物の把握に適している。

基礎資料の作成

取得したデータから、筆界推定に必要な解析図面を作成する。
微地形表現図では、あぜ道や水路などの微細な起伏を可視化する。
林相識別図では、樹木の種類や分布の違いを色分けし、植生界を把握する。
樹高分布図では、樹木の高さの差を示し、林齢や管理状況の違いを読み取る。

筆界案の作成と確認

作成した解析資料、公図、現地精通者の証言などを基に、机上で筆界案を作成する。
確認は原則として現地では行わず、公民館などの集会所に土地所有者を集め、GIS上の三次元データや図面をモニターに表示しながら合意形成を行う。この方法により、高齢の所有者や遠隔地居住者の負担を軽減できる。


UAV航測法による地籍調査の効果

UAVを活用した地籍調査では、急傾斜地や足場の悪い場所での測量作業や立会いを減らすことができ、安全性が向上する。また、広範囲を短時間で計測できるため、調査全体の効率化が図られる。
三次元データや解析図面を用いた説明は視覚的に分かりやすく、土地所有者の理解と納得を得やすい点も特徴である。


調査手法の位置づけ

最新の地籍調査は、ドローンと三次元データを活用することで、現地踏査に依存していた従来手法を補完・転換し、精度、安全性、効率性を同時に高める方向へ進化している。


関連用語:航測法/乙1区域/筆界/レーザ測量/写真測量/微地形表現図/林相識別図