ドローン大辞典
林相識別図|用語解説|ドローン大辞典
概要
林相識別図とは、航空レーザ測量やドローンレーザ測量によって取得されたデータを用い、樹木の種類や分布、樹冠の形状などを可視化した図面である。UAVレーザ測量の成果物の一つとして位置づけられ、地籍調査において筆界を推定するための基礎資料として利用されている。
林相識別図の仕組みと作成方法
林相識別図は、レーザ測量データから生成される複数のモデルを組み合わせて作成される。具体的には、樹冠高モデル、樹冠形状モデル、レーザ光の反射強度モデルにそれぞれ異なる色を割り当て、カラー合成を行う。
レーザ測量では近赤外線を用いるため、植生の反射特性がデータに反映される。この特性を利用することで、写真だけでは識別が難しい樹種の違いや、生え方の差異を視覚的に強調することが可能となる。
地籍調査における活用と効果
林相識別図は、専門的な知識を持たない土地所有者であっても直感的に理解しやすい資料であり、筆界案の作成や説明に有効である。
人工林と天然林の違いが色分けで表現されるため、植生が切り替わる位置を容易に把握できる。このような植生界は、土地の利用区分や管理主体の違いを反映している場合が多く、筆界推定の重要な手がかりとなる。
また、樹冠の大きさや配列から、整然と管理された区域と自然に生育している区域を判別できるため、人為的な管理範囲の違いを推測することができる。里山や農村部の耕作放棄地では、周囲の樹木の種類や配列の違いを林相識別図で確認することで、境界推定に必要な情報を得ることが可能となる。
他の解析図面との併用
林相識別図は単独で用いられるだけでなく、他の解析図面と組み合わせて総合的に判断するために利用される。
微地形表現図は、地表面の凹凸やあぜ道、水路などの把握に適している
樹高分布図は、樹木の高さの違いから林齢や成長段階の差異を読み取るために用いられる
林相識別図は、樹種や植生の性質の違いを把握するために用いられる
これらを組み合わせることで、地形、樹高、樹種という複数の観点から整合的な判断が可能となり、筆界推定の精度向上につながる。