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ドローン大辞典

人工衛星データ|用語解説|ドローン大辞典

概要

人工衛星データとは、地球観測衛星や航法衛星などが取得・配信する各種データの総称であり、画像データとしての利用と、位置情報を得るための測位データとしての利用の両面を持つ。本記事では、農業分野を中心とした地球観測データの活用、衛星オンボードPPPによる高精度軌道決定、GNSS測位データとしての利用という三つの観点から整理する。


地球観測データとしての人工衛星データ

人工衛星データは、地球観測データとして広域を一度に把握できる点に特徴があり、スマート農業分野ではドローン測量と組み合わせた活用が進められている。ドローンは数センチ単位の高解像度で計測できる一方、計測範囲が限定される。これに対し、衛星画像は1回の観測で数平方キロメートル規模の範囲を取得できるが、解像度は数メートル程度となる。

広域を同時に観測できるため、撮影時刻の違いによる太陽高度や雲の影響が混在しにくく、同一条件下での比較が可能である点も特徴である。農業分野では、衛星画像から算出したNDVIなどを用いて生育ムラの大きい圃場を抽出し、その後に対象圃場のみをドローンで詳細計測するスクリーニング手法が用いられている。

また、農林水産省が公開する筆ポリゴンデータと衛星画像を重ね合わせることで、圃場単位での統計処理や生育状況の把握を効率的に行うことができる。


衛星オンボードPPPによる高精度軌道決定

人工衛星データには、衛星が取得する観測データそのものだけでなく、衛星自身の位置決定に関わるデータも含まれる。高分解能の地球観測画像を提供するためには、衛星の正確な位置情報が不可欠であり、従来は地上での後処理によって軌道計算が行われていた。この方法では、画像提供までに数時間から数日を要していた。

近年では、準天頂衛星などから配信される補正情報を受信し、衛星に搭載された計算機でリアルタイムに軌道を算出する衛星オンボードPPP技術が開発されている。この方式では、センチメートル級の精度で衛星自身の位置を把握でき、撮影画像の提供時間を大幅に短縮することが可能となる。


測位データとしての人工衛星データ

人工衛星データは、GNSSによる測位データとしても利用されており、ドローンや地上測量における位置決定の基盤となっている。GPS、準天頂衛星、GLONASSなどの航法衛星からの信号を利用し、RTK-GNSSやPPP-RTKといった手法により、高精度な位置情報が得られる。

国土地理院が管理する電子基準点の観測データは、これらの測位結果を補正・検証する基準として利用され、ドローン測量の精度確保に重要な役割を果たしている。


人工衛星データの位置づけ

人工衛星データは、広域を概観するための画像データとしての側面、位置を正確に知るための測位信号としての側面、さらに衛星自身が高精度に位置を把握するための技術基盤という三つの役割を持つ。ドローン測量やスマート農業、測量分野においては、これらを目的に応じて使い分け、または組み合わせて活用することが前提となっている。


関連用語:ドローン/スマート農業/NDVI/RTK-GNSS/PPP-RTK/電子基準点/準天頂衛星/地球観測衛星