ドローン大辞典
地形解析|用語解説|ドローン大辞典
概要
地形解析とは、点群データ、DSM、DEM などの3次元データを用いて、土地の形状、起伏、傾斜、標高差を定量的かつ視覚的に分析する技術である。建設分野の i-Construction、農業、防災、地籍調査などにおいて、計画立案や評価、意思決定を支援する目的で広く活用されている。
地形解析の定義と対象データ
地形解析は、ドローンによる写真測量やレーザ測量で取得された3次元データを基礎として実施される。解析の対象は地表面の形状そのものであり、目的に応じて使用するデータが使い分けられる。
オリジナルデータは、樹木や建物を含む全ての計測点を保持した点群である。グラウンドデータは、オリジナルデータから地物を除去し、地表面のみを抽出した点群であり、地形解析の中核となる。DSMは地物を含めた最上面を表す面データであり、DEMはグラウンドデータを基に作成された地表面の高さを示す面データである。オルソ画像は、歪み補正された写真で、位置確認や平面的な計測に用いられる。
差分解析と土量計算
差分解析は、2つの地形データの高さ差を計算する手法である。i-Construction における出来形管理では、現況地形データと3次元設計データを重ね合わせ、その差分から盛土量や切土量を算出し、施工が設計通りに行われているかを判定する。
農業分野では、水田などで平均標高と各地点の標高差を算出し、不陸の分布を可視化することで、均平作業の計画に利用される。防災分野では、災害前後の地形データや、崩壊地と推定復元面との差分から、崩壊土砂量や地形変化量を算出する。
断面解析による縦断・横断評価
断面解析は、3次元モデル上に任意のラインを設定し、その位置で地形を切り取って断面図を作成する手法である。林道や河川計画では、オルソ画像や DEM 上で計画線を引くことで、縦断面図や横断面図を自動生成できる。
この方法では、現地でポールを設置して測量する必要がなく、急斜面や災害現場においても、安全かつ迅速に断面情報を取得できる。
微地形表現による地形判読
微地形表現は、地形の細かな起伏を強調して可視化する解析手法である。航空レーザやドローンレーザで取得した高密度なグラウンドデータを用い、傾斜量や尾根・谷の度合いを演算し、合成画像として表現する。
この手法により、航空写真では判別が困難な旧来の里道、あぜ道、小規模な水路、段々畑の痕跡などを明瞭に把握でき、地籍調査における筆界推定に活用されている。また、DSM から DEM を差し引くことで作成される CSM は、樹高分布の把握に利用され、森林調査や資源管理に用いられる。
勾配・斜面解析と水理的評価
勾配・斜面解析では、地形の傾斜角や傾斜方向を算出し、水の流れやすさを評価する。排水計画では、地形に基づいて水の流向を解析し、農地の排水対策や道路法面の設計に反映される。
地形解析に用いられる主なツール
地形解析には、用途に応じた専用ソフトウェアが用いられる。QGIS は DEM を用いた標高差計算、等高線作成、断面図作成などに利用される。Agisoft Metashape は、写真測量による3次元モデルや DEM 作成に用いられる。CloudCompare は、点群データの比較や編集に適したツールであり、建設分野では 3D-CAD や点群処理ソフトが施工管理や図面作成に利用される。