ドローン大辞典
起工測量|用語解説|ドローン大辞典
概要
起工測量とは、工事開始前に現場の地形や状態を把握するために実施される測量であり、設計図書と現地状況の整合確認や、掘削・盛土に伴う土量算出の基礎資料として用いられる。i-Constructionの推進により、従来の横断測量を中心とした方法から、ドローンやレーザ計測による三次元点群データを活用した「三次元起工測量」へと移行が進んでいる。
従来手法との違いと三次元化の効果
従来の起工測量では、20m間隔などで測点を設け、横断方向に線的な計測を行い、その間の地形は補間や平均処理によって把握していた。一方、ICT活用工事では、ドローンやレーザスキャナにより現場全体を面的・立体的に計測する。
地形の凹凸を高密度に取得できるため、複雑な現場でも土量算出の精度が向上する
急斜面や広範囲の現場でも、人が立ち入ることなく短時間で安全に測量できる
主な起工測量手法と精度の目安
起工測量では、工種や現場条件に応じて複数の計測手法が使い分けられる。資料では以下の方法と精度基準が示されている。
ドローン写真測量
上空から撮影した写真を解析し、三次元点群を作成する方法である。
適用範囲:土工、小規模土工、ダム工事など
精度目安:平面・鉛直ともに ±50mm 以内
点密度:0.01㎡あたり1点以上(10cm×10cm相当)
地上写真測量
手持ちカメラやポール搭載カメラで撮影した画像を解析する手法である。
適用範囲:土工、小規模土工、法面工など
精度目安:平面・鉛直ともに ±100mm 以内
点密度:0.25㎡あたり1点以上(50cm×50cm相当)
レーザ測量(ドローン/地上型)
レーザ光を照射して地形を計測する方法であり、植生下の地表面を取得できる点が特徴である。
適用範囲:伐採前の山地、草木が繁茂した現場など
ICT建設機械による計測
バックホウなどの刃先計測機能を利用し、施工前に地形をなぞることで現況データを取得する方法である。
精度目安(断面管理):平面・鉛直ともに ±100mm 以内
現場適用事例に見る効果
資料に示された事例では、急傾斜地崩壊危険区域における道路・水路付替工事でドローン測量が導入された。従来手法では危険性と時間的制約が大きかったが、ドローンによる現況地形測量を実施することで、測量からデータ処理までを数時間程度で完了させ、安全かつ詳細な三次元地形データの取得が可能となった。このデータを基に三次元施工計画を立案し、手戻りのない工事計画につなげている。
実務上の位置づけ
起工測量は、単なる事前測量ではなく、その後の三次元設計、ICT建設機械による施工、出来形管理へと連続する工程の出発点である。ドローンやレーザを用いた三次元起工測量は、現場全体を立体的に把握することで、正確な土量算出と安全で合理的な施工計画を支える中核的な役割を担っている。
関連用語:i-Construction/三次元起工測量/ドローン写真測量/レーザ測量/三次元点群/土量算出/ICT建設機械