ドローン大辞典
数値地形図|用語解説|ドローン大辞典
概要
数値地形図とは、地形や建物、道路などの地物に関する情報を、位置や形状を表す座標データと、内容を示す属性データとして整理し、コンピュータ上で計算・編集・解析できる形で表現した地図データである。単なる画像としての地図ではなく、CADやGISで利用可能なベクターデータとして扱われる点が大きな特徴であり、設計や台帳作成、各種空間解析の基礎資料として用いられる。
数値地形図の特徴
数値地形図は、UAVを用いた測量成果の中でも、従来型の地図作成や設計業務との親和性が高い成果物である。
データ形式
道路縁、建物外形、法肩・法尻などが線や面として表現されたベクターデータで構成される。主な用途
設計図面のベースマップ、公共測量成果、GISによる管理台帳や施設管理などに利用される。作成方法
UAVで撮影した空中写真を用い、数値図化と呼ばれる工程によって作成される。これは写真を判読しながら地形や地物をトレースし、線データとして入力する作業であり、手動作業を基本としつつ、一部自動化処理が併用される場合もある。
地図情報レベルと精度
UAVを用いた公共測量では、数値地形図の縮尺に相当する概念として「地図情報レベル」が定められている。主に250および500が標準的に用いられる。
地図情報レベル | 水平位置の標準偏差 | 標高点の標準偏差 | 必要な地上画素寸法 |
|---|---|---|---|
250(縮尺1/250相当) | 0.12m以内 | 0.25m以内 | 0.02m(2cm)以内 |
500(縮尺1/500相当) | 0.25m以内 | 0.25m以内 | 0.03m(3cm)以内 |
地上画素寸法とは、写真の1画素が地上のどれだけの長さに相当するかを示す指標であり、数値地形図の精度を左右する重要な要素である。
三次元点群データとの違い
数値地形図と三次元点群データは、UAV測量で得られる代表的な成果物であるが、その性質は大きく異なる。
数値地形図
人間が写真を解釈し、「道路」「建物」「境界線」といった意味を持たせて作成された線や面のデータである。データ容量は比較的軽く、設計や管理用途に適している。三次元点群データ
地表面や構造物を、無数の点(X、Y、Z座標と色情報)の集合として表現したデータである。地形を高密度に再現できる一方、そのままでは道路境界や構造物輪郭といった線情報を持たない。
まとめ
数値地形図は、UAVで撮影した空中写真を基に作成される、設計やGISで直接利用できる線・面主体の地図データである。i-Constructionの出来形管理では三次元点群が中心となる場面が多いが、設計図作成や台帳整備、空間情報管理においては、数値地形図が引き続き重要な成果物として位置付けられている。